応力緩和パーマとクリープパーマの違いがわかりますか?
酸性〜中性のパーマはあまり髪が傷まないけど、アルカリ性のパーマはすごく髪が傷んでしまうイメージを持っていませんか?
平成半ばに理美容業界ではクリープパーマというのが流行りました。当時『DO-S式クリープパーマ』というのが注目されて場末のパーマ屋が美容専門誌で有名になったり、全国でセミナーなどを始めたのもこのクリープパーマのおかげです。
↑理美容師さん向けのセミナーでもクリープや応力緩和の説明をよくしてました。
1剤をしっかりと中間水洗し還元剤を流してから、加温等を行いしっかりとしたカールでパーマをかける。弱い還元でしっかりをかかるので髪の傷みも少なくなるというメリットもありました。
しかし… 平成26年(2014年)にケラチン研究の第一人者である新井先生に「中間水洗してもイオン化されてない還元剤はそう簡単には流れないですよ」と教えて頂いたのです。
え… ってことは中間水洗してイオン化してる還元剤とジチオジグリコール酸が流れたら、イオン化してない還元剤がイオン化し還元が進行してただけじゃん(汗)
ってことは… 今までクリープ現象でパーマがかかる(強くなる)と考えていたのは、ただ還元剤の反応で還元が進行してただけだったのです。
少し前からパーマについての質問に答えています
DO-Sでパーマや縮毛矯正、カラーの際にダメージさせる確率を減らせるものはありますか?

パーマの際の中間水洗、スポイド水洗とアルカリの関係性についての質問

んで今回は質問ではないけど、ちょいと気になる部分があるのでみんなのためにも整理しとこう
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その理由は今クリープ(応力緩和)前提で薬剤選定してパーマしてます。
クリープ前提なので通常の自分の薬剤選定より 2段低いスペックを選定して、熱入れしたら還元力が上がるgmtを2%ほどいれ還元上げてます。(チオ50的な感覚で使ってます)←オ◯◯◯◯◯の◯◯◯◯を使っていて、ハードとソフトの差は、還元値はほぼ一緒phが9か7か。アルカリ度が5なのか0.3なのかだけです。
3分放置後に熱湯でスポイド水洗、その後ホットタオルにキャップ。加温機で湿熱+乾熱 4〜7分もう一回冷水でスポイド水洗、W酸化としてます。
ただの還元パワーではあるのですが、アルカリ度も通常より下がれてダメージも少ないわりに、還元してるためパーマの持ち物上がった気はします。
あと良い意味でアルカリ度が少ないため乾かしたとき良い感じにほぐれてパーマが残ってくれるため
ゆるふわはワックス仕上げ、ウェーブはムース仕上げと2wayにできて良いと思ってるのですがこのような場合は水洗はどのように考えるといいでしょうか?
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まずね… 君のいうクリープというのは、応力緩和のことかな?
>2段低いスペックを選定して、>3分放置後に熱湯でスポイド水洗、その後ホットタオルにキャップ。加温機で湿熱+乾熱
これって15年位前のクリープパーマの技法そのままだよね… この文章を読む限りでは応力緩和ではないような気がするよね…
今から10年以上前、場末のパーマ屋が現役美容師だったころのブログ記事を読んでごらん↓
一般的に応力緩和というのは、水がアルカリ水をつけてからワインディングしてエアウェーブやデジタルパーマの機械とかで完全乾燥させてから、パーマ1剤をつけて還元する施術方法だからね。
ま〜今の工程でも君好みのパーマになってるなら特に問題はないし… >ただの還元パワーではあるのですが、って事なんで仕組みはわかってるとは思うけど、還元を促進するアプリケーター水洗やシャンプー台での中間水洗とクリープや応力緩和は全く違うというのだけはしっかりと理解しておいてね。
あと、もうひとつ気になるのが、>アルカリ度も通常より下がれてダメージも少ないわりに、ってことなんだけど…
パーマレベルのpH9程度のアルカリだと、いうほどダメージは差がないよ。
パーマでのダメージの多くはS-S結合をどれだけ多く切断したのか?ってことだからね。
例えばね、同じ髪質同じダメージの髪に、pH9・チオ濃度6%の薬剤で5分間自然放置でS-S結合が1000組切断されたとするよね。
んで、pH8・チオ濃度5%の薬剤でスポイド水洗や加温などをしてトータルの放置時間が15分間程度で全く同じかかり上がりになったとすると… たぶんこの薬剤でもS-S結合はだいたい同じ1000組ぐらい切断されてる理屈なんだよね。
pHやアルカリ度や還元剤の種類や濃度が違っても、同じ髪に同じ1000組のS-S結合を切断したとすると髪の傷み具合もほぼ同じハズなんだよね。
ただ最初にも言ったけど、理論より実践だから、現在の方法で上手くパーマがかけれてて君がやりやすいのなら別に無理に変えることはないからね。
ま〜アプリケーター水洗やシャンプー台での水洗での還元促進を試すなら、一度基本に帰ってシンプルに施術を試してみるのもいいかも知れないから基本中の基本のやり方だけ書いとくとね。
まず、かかり自体が良くなるのでロッド選定やスライス幅は少し大きめ、厚めで計算したほうがいいかも?(デザインによって変わる)
1剤の選定は低いスペック(アルカリや還元剤)ではなく、髪質やダメージに合わせて希望のかかりが可能な適切なスペックを選定する。
放置タイムは少し短めに設定しテストカールして…
①ちょうど良いかかり具合なら、そのまま2剤で酸化する。(アシッドは2剤後ね)
②少し〜普通に弱い程度ならぬるま湯やアルカリ水でアプリケーター水洗する。しっかりかけたい時ほどお湯の塗布量を増やす。2〜5分程度放置してテストカールしてまだ少し弱いようならもう一度アプリケータ水洗したり加温してみる。
③かなりかかりが弱いようなら、シャンプー台で少し弱めの水量でしっかりめに水洗する。水洗後にテストカールして弱いようなら加温機で湿熱+乾熱等を加えてかかりを調整する。
これが基本だね。
スポイド(アプリケーター)水洗やシャンプー台水洗は、弱いスペックの薬剤で希望の強さのパーマをかけるために使う技法ではなく、髪質的に計算したよりかかりにくいケースで還元の補助的に行うものだからね。
弱いスペックの薬で加温や水洗などいろいろやって時間かけて還元しても、適正な薬剤でシンプルにスポイド水洗だけで還元促進して短時間で還元しても、同じかかり上がりならヘアダメージの差なんていうほど無いしね。
1剤の放置タイムが15分間でかかる人が、スポイド水洗で還元促進をすることで10分でかかったほうが楽だし計算しやすいでしょ!って感覚です。
パーマ・縮毛矯正での髪の傷みの多くはアルカリによるものなの?
【本当のパーマ理論】パーマ2剤前のアシッド剤が間違いの元です。
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