パーマやストレートパーマ、縮毛矯正の1剤で髪の毛の側鎖であるS-S結合を切断し、形状変化をさせるのがチオグリコール酸やシステアミンなどの【還元剤】といわれる成分。
健康毛やバージン毛なんかなら強く反応させる還元剤を使う必要があるし、ダメージしてれば弱い(優しい)反応の還元剤を使用しなければトラブルを起こしてしまったりする。
そんなパーマ液や縮毛矯正剤の主成分である【還元剤】のパワーの強弱を決めるのが…
①還元剤の種類
チオグリコール酸やシステアミンなどは比較的還元力が強いが、シスやスピエラなどは還元力は弱め。
②還元剤の濃度
これは当然なんだけど、、、還元剤の濃度が高く(濃く)なるほど強くS-S結合を切断します。
③1剤のpH(ピーエッチ)とアルカリ度
スピエラやGMTなど酸性でもそれなりに還元力があるものもあるが、基本的にはpHが高くアルカリ性になるほど強く反応をします。(一般的なチオなどは弱酸性などならほぼ還元力はありません)
だからパーマの1剤には、チオグリコール酸6%、pH9.2などとスペックが書いてあり、プロの美容師さんが見れば大体この1剤のパワーがわかるようになってるんですね。
美容師が作った「場末のパーマ屋」オリジナルのDO-Sパーマ剤たち
んじゃ 今日の美容師さんからの質問ね
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いつも拝見させていただいて、勉強させていただいています。
初めて質問させていただきます。
矯正の場合
普通毛 バージン毛 PH8.6
普通毛 カラー毛で PH8.3
大体こういう感じだと思うのですが、
コールドパーマの場合も同じ様な考えでよろしいでしょうか?
当方はLシリーズを使用させていただいておりました。
お忙しいと思いますが
ご返信の程よろしくお願いいたします。
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はいはい!
>矯正の場合
普通毛 バージン毛 PH8.6
普通毛 カラー毛で PH8.3
大体こういう感じだと思うのですが、
コールドパーマの場合も同じ様な考えでよろしいでしょうか?
縮毛矯正剤で場末のぢ〜ぢの提唱してる【低アルカリ高還元剤濃度】の1剤での薬剤パワーをpHを基準にしての考え方がコールドパーマの1剤の場合でも同じなのか?ってことだよね。
これは残念ながら、かなり違う と思うよ・・・
ま〜薬剤理論で考えると冒頭で書いてるように、還元剤の種類・濃度・pHの3つで薬剤のパワーは決まるんだけど、、、縮毛矯正とパーマでは、その使用方法がかなり違ってくるからね。
縮毛矯正とコールドパーマでは還元剤の基準を作るのになにが違うのか?
①コールドパーマはリタッチ塗布が不可能!
縮毛矯正の場合は初めて施術する方じゃなくても、基本的に最初に塗布する還元剤は新生部分のリタッチ塗布になりますよね。ですから薬剤パワーの基準と決めるのも根元付近の新生部だけ考えればいいんですね。
でもコールドパーマの場合は既パーマ毛の方でも1剤のリタッチ塗布は出来ません。毛先部分が特にダメージが激しい?とかの根元、中間、毛先でのダメージ具合の違いも多いし、前回のパーマがどのくらい残っているのか?とか今回どのくらいカットしたのか?などかなり複雑になってしまいます。
例えば、ノンカラーでライトダメージの普通毛だとしてチオ6%でpH9でちょうど良い場合もあるし、前回のパーマがかなり残ってたりすればチオ4%のpH8でも強すぎる場合だってある感じだね。
縮毛矯正の場合は新生毛部分がほとんどなので、髪質だけでも基準を決めやすいけど、パーマの場合は新生毛部分だけでないので条件は多く複雑になるので、普通毛ならpH○って感じに単純に基準を決められません。
②塗布時間が違うので低アルカリに拘らなくてもOK!
パーマの場合はロッドを巻いた後に1剤を塗布するのにかかる時間はせいぜい1〜2分間程度ですが縮毛矯正やストレートパーマでは10分間以上、塗布の遅い美容師さんなら20分間もかかってしまう場合もあります。
例えば、1剤塗布に20分間かかったとして、放置時間が20分間なら最後の部分は20分間放置ですが最初に塗布した部分は40分間放置でとなります(汗)この場合なら40分間放置しても過還元、アルカリ暴走のトラブルにならないような薬剤を使用しなければいけません。
しかしコールドパーマなら1剤塗布時間は1〜2分程度だし、放置時間も短くできるし… あと〜なんといっても、過還元になりそうならすぐに2剤でストップできます!
※縮毛矯正の場合なら、ヤバいと思ってもそれからシャンプー台に移動して中間水洗してドライしてる間の10分間以上は還元が進行してしまいます(涙)
コールドパーマ用の還元剤は塗布時間も短いし、還元ストップもすぐに可能なのでそんなにpH、アルカリ度に敏感にならなくてもいいです。
>コールドパーマの場合も同じ様な考えでよろしいでしょうか?
当方はLシリーズを使用させていただいておりました。
DO-SカールLシリーズなら、、、
還元剤はチオグリコール酸2%、システアミン4%とすべて共通してるので、還元パワーはpHの違い(pH7.3、pH8.3、pH9)なのでとても簡単明瞭だし…
還元の邪魔になるPPTや感触向上成分などもほとんど配合されてないので、かかり具合もすっきりシンプル🎵
だから、真ん中のDO-SカールL8を基準にして
パワーを弱めるならカールL7、パワーを強くするならカールL9をミックスする感じで、あとは放置タイムや水洗での還元進行&アルカリ弱めなどの本物のパーマ理論を駆使すれば、かなり完成度の高いコールドパーマが可能だと思うよ。
これらの記事も熟読してね〜
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コメント
いつも拝見させていただいています。
何度か質問した者です。
パーマについての質問です。
先日 メンズで細毛、セルフカラーをされているお客様に3回捻り2回転くらいのツイストスパイラルパーマをかけました。
シャンプーした時にきしみ感があったのですが水巻でロッドを巻いた時にしっかりしてると思ったので カールL8をつけて
自然放置5分でテストカール
でもう気持ち置いても良いかなの判断であと5分放置(これが失敗でした)
テストカールでやや弱いではなく
しっかりかかってる感じに。
そのまま2液かシャンプー台で中間水洗かで迷いましたが 中間水洗へ(これでさらに強く入った)
水洗からあがって カールを見て
かかりすぎたー(汗)
セルフカラー甘く見てたー!(心の声)
すぐにオキシ2液 アシッドつけてロッドアウトしましたが
かかりすぎパーマになってしまいました。
カットでいくらか良くはなりましたが
ツイストも入っているので
完全乾燥させるとボワっとなる感じです。
ワックス仕上げだとまあまあ良い感じにもなるのですが
お客様にとっては初パーマだったので
扱いにくい感じになったようで・・
その後LINEでの質問攻めが凄かったので
12/5にカウンセリングという形で予約してもらいました。
そこで質問です
まず今回の薬剤選定と手順へのアドバイスをお願いしたいです。
それからかかりすぎたパーマを少し弱くしたい、または戻したいとなった時
DOS薬剤で何を使用したら良いでしょうか?またその手順を教えていただると助かります。
パーマ落としをした際のダメージもどのくらい出るのか怖いので・・
どうか良いアドバイスをお願いします。
ご返答いただきありがとうございます。
コールドでは塗り分はできないですよね(>_<)
すみません もう一つ質問よろしいでしょうか。
毛先がカラー、中間根元がバージン毛という状態の場合。
毛先にウオーターBを塗布して巻いたりするのですが、コーミングしたりしてるうちに根元新生部にも多少ついている状態になります。
そこに新生部に合わせた薬剤を塗布した場合、ウオーターBがついていると新生部への薬剤の浸透が弱まりますか?
また ウオーターBの使い方として上記のやり方は合っていますか?
度々すみません。
よろしくお願いします。