パーマやストレートパーマ、縮毛矯正の還元剤でのチオ換算・TG換算ってなんですか?
多くの美容師さんは、チオ換算=還元剤の強さを示す指数?と勘違いしてます。
本当のチオ換算(TG換算)ってどんなものなのでしょう?
また、スピエラやGMTなどの還元剤を使用するダメージレスで柔らかい質感にでツヤサラ美髪になれる酸性ストレートパーマ
髪を傷めるアルカリ成分を使わないのでノンダメージ!髪に優しい酸性〜弱酸性で癖毛を伸ばすので髪を傷めることなく綺麗なストレートヘアーになれる?
酸性〜弱酸性での還元力はとても弱いので、実は酸性ストレートパーマではなく【酸性縮毛矯正】って事なんだけどね。
でも実際は、全く髪の毛を傷めない!なんてことはなく、施術に失敗すればボロボロのビビり毛になったりすることもあり、髪質やダメージ具合によっては通常のアルカリ縮毛矯正より髪に負担をかけヘアダメージを増大させてしまう場合もあります。
少しまえの記事
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このブログ記事の美容師さんからの追加の質問ね
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先日は酸性ストレートの質問に丁寧にお答え頂きありがとうございました。
また、追加の質問で申し訳ないのですが、例えば、スピエラやGMTで通常のように縮毛矯正を根元から毛先までかける場合、クリーム状の調整剤にスピエラだけ、GMTだけ、またはその両方を混ぜる場合で同じチオ換算濃度でかけた場合でどのような還元の仕方や質感の違いがあるのでしょうか??
また、その調整剤も、各メーカー、PHや、還元剤の種類もさまざまで、システアミン、チオグリコール酸、チオグリセリン、システインなど色々なベースでてきている商品が多いのですが、GMTやスピエラに混ぜるものとしては、どのような考えで選ぶと良いのでしょうか??
ぢーぢ様はもう酸性ストレートは通常の使い方はされてない所このような質問で申し訳ないですが、よろしくお願いします。
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ふむふむ・・・追加の質問だね〜 了解!
同じチオ換算濃度だという設定での還元の仕方だよね・・・
まず、最初に多くの美容師さんたちが勘違いしやすいのが【チオ換算】【TG換算】についてなんだけど、よく美容師さんはチオ換算して還元剤濃度が同じになれば、還元力も同じになると勘違いしてるんだよね…
例えば、スピエラをチオ換算で計算すると(スピエラ濃度% × 0.77)なので
チオグリコール酸7% = スピエラ約9%
という事になるんだけど、よくこのチオ換算での濃度が同じだと還元力も同じだと勘違いしてる美容師さんがいるけど…
この二つの還元力(形成力)がすべての条件で同じ訳ではないからね!
チオグリコール酸とシスとスピエラを同じチオ換算濃度の薬剤同士で比較したとすると…
普通毛に対しての反応にはなるけど、pHの違いによる還元力の違いはこんな感じだね
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スピエラは酸性のpH4〜5ぐらいの時に最も還元する力があるし、チオやシスは逆に酸性の時は還元は出来ない。
逆にチオやシスはアルカリ性の時は還元力は高いけど、スピエラには還元力は無いんだよね。
それにアルカリでのチオの還元力と酸性でのスピエラの還元力を比較してもチオのほうが断然高い!
こんな感じで、それぞれの還元剤で働くpHが違うので、チオ換算(TG換算)が同じだからって還元力も同じだとは思わないようにしてね!
んで最初の質問
>スピエラやGMTで通常のように縮毛矯正を根元から毛先までかける場合、クリーム状の調整剤にスピエラだけ、GMTだけ、またはその両方を混ぜる場合で同じチオ換算濃度でかけた場合でどのような還元の仕方や質感の違いがあるのでしょうか??
酸性領域でのスピエラ(ブチロラクトンチオール)とGMT(チオグリコール酸グリセリル)の比較だと・・・
スピエラの方が、GMTより還元力が弱い、髪の内部で反応しやすい・チオでいうとこのミックスジスルフィドが疏水性が高い・独特の匂いでとても臭いぐらいの感じかな〜
でも実際は、内部で反応しやすいとかミックスが疏水性とかって言っても、そこまで違いなんてわからないハズなので、スピエラの方がかかりが弱くて、強烈に臭いぐらいが違いかな?(笑)
あと質感の違いとかの多くの部分はスピエラとGMTの違いとかじゃなく、薬剤は使われてる乳化剤やポリマー等の添加剤や最後のカチオン系トリートメントや表面皮膜成分による手触りや質感などの影響が高いからね〜。
例えばこれがアルカリ領域でかけるチオとの比較とかなら、酸性のスピエラやGMTのほうが2剤の酸化不足で切れっぱなしのシステインが増えるので少し柔らかく感じる(傷むけどね)とか、チオで出来るミックスジスルフィドは大きいので硬く感じたりとかの違いぐらいは多少わかる事もあるけどね。
ま〜 同じ髪に同じpHで同じチオ換算濃度で使用したとしたら、スピエラだけでもGMTだけでも両方をミックスした場合でも多分違いが分かるとしたら、GMTのほうが少しかかりが良いのと、スピエラのほうが臭いぐらいしかわからないんじゃないのかな?
>また、その調整剤も、各メーカー、PHや、還元剤の種類もさまざまで、システアミン、チオグリコール酸、チオグリセリン、システインなど色々なベースでてきている商品が多いのですが、GMTやスピエラに混ぜるものとしては、どのような考えで選ぶと良いのでしょうか??
これはね、、、本来ならスピエラやGMTはpH3.5〜4付近の酸性が最も還元力を発揮するpH領域だと言われてるんだけど、、、こんなに酸性領域で還元させるとシスチンが破壊されて、とっても危険なんだよね。
そこでメーカーさんではこれらのヘアダメージの危険性を減らすために、pH6〜7程度の弱酸性〜中性の領域で反応させようとしてるんだよね。
んで、昔はアルカリ性の溶剤でスピエラ、GMTのpHを6〜7程度にあげるような調整剤を作っていたんだけど、、、これだとスピエラ、GMTの還元力が弱くなってしまい、かかりが悪くなっちゃうでしょ!?
そこでチオやシスアミなどの還元剤も入れてハイブリッドタイプにして、pHが高くなって還元力が弱ったのを補おうとしたんだ…
pHが高くなりスピエラやGMTの弱くなった還元力を補う為に 他の還元剤をミックスする!
こういう事で調整剤にいろんな還元剤を配合するようになったんだよね。
還元剤それぞれが活動するpH領域とどこらを中心に還元するかを書いておくとね…
◎チオグリコール酸・・・pH7〜9(毛髪内部)
◎システイン・・・pH9(毛髪外部)
◎システアミン・・・pH6〜9(毛髪外部)
◎チオグリセリン・・・pH7〜9(毛髪内部)
◎サルファイト・・・pH9〜11
◎スピエラ・・・pH4〜6(毛髪内部)
◎GMT・・・pH4〜7
こういう感じなので、一般的にはpHが低くても還元力のあるシステアミンやチオグリコール酸とかが向いてる感じだよね。
スピエラやGMTにはどのような調整剤が良いのかというとね、、、
システアミンやチオグリコール酸が適量配合されてて、スピエラやGMTを混ぜた状態で中性程度(pH7付近)になるような調整剤がベスト。
こんな感じかな〜。
>ぢーぢ様はもう酸性ストレートは通常の使い方はされてない所このような質問で申し訳ないですが、よろしくお願いします。
スピエラやGMTの通常の使い方というのがよくわからないんだけど、ダメージ毛の方に現在主流の中性領域でチオやシスアミなどの他の還元剤とハイブリットして使用する方法で、水抜きアイロンしなくても可能な場合は場末のぢ〜ぢも推奨してるよ。
ただ、そもそも中性程度の薬剤でテロンテロンに過膨潤してしまうような超ハイダメージ毛の方は、無理に縮毛矯正なんてしても、失敗してビビり毛になってしまったりなど、あまり良い結果にはならないから、最初から施術しないように提唱してるだけだよ。
コメント
先日はスピエラやGMTのチオ換算等の質問にとてもわかりやすい解説をありがとうございました!
ただ、ひとつわからないところがありまして、解説の中で本来ならスピエラやGMTはpH3.5〜4付近の酸性が最も還元力を発揮するpH領域だと言われてるんだけど、、、とありますが、スピエラやGMTのpkaはそれぞれphが6.9や7.8とありますが、どのように解釈すればよいでしょうか??
それと、スピエラやGMTは油なので、phが存在しないとよく書いてありますが、基剤に混ぜる際にスピエラやGMTの量や濃度によって基剤のphはかなり変わると思った方がいいですか??
また、健康毛やダメージ毛でスピエラやGMTを使う際は、その時の髪の状態によって髪のphが違う状態だと思いますが、それも基剤の反応するphが変わると思った方がいいですか??
何度も質問ばかりで申し訳ないですが、よろしくお願いします!