縮毛矯正で悲劇のビビリ毛やテロテロのハイダメージ毛にならないために…

ストレート(縮毛矯正)

先日の記事↓

縮毛矯正・ストレートパーマでアイロン工程前にブローすると癖が伸びにくいの?

縮毛矯正・ストレートパーマでアイロン工程前にブローすると癖が伸びにくいの?
くせ毛をストレートにするストレートパーマや縮毛矯正といわれる美容室メニューの工程では、1剤で還元したあとシャンプーブースで中間水洗してから担当の美容師さんが... ブラシでブローしてストレートに伸ばす(ブロー式) ドライヤーで乾かした後でア...

こちらの記事を読んでもらった美容師さんから質問を頂きました↓

・・・・・・・・・・

今回のブローと縮毛矯正の件で質問があります。

ブローの上手さにより、水分量の残し方、キューティークルへの負担、1剤の還元、軟化具合により、場合によっては伸びにくくなる。ことは把握致しました。

波状(横波の癖)+捻転(髪を触るとガタガタしてる癖)の方はアイロンのみ、アイロンのときにツインブラシよりも、きく〇〇さん的な(その方の信者とかではないです)ツインブローで髪の表面の捻転をストレートに慣らしたあとに、アイロン+ツインブラシで通した方が仕上がりとその後のアフターも、ボコボコ?ザラザラ具合が綺麗な気はしてます(同じお客さんで全パターン試したところ)

質問の内容としては、捻転系の質感を取りたい場合はツインブローも有効ですか?

それとも還元剤の種類を変えるべきですか?チオ+少しシスアミ もしくはgmtの両親媒で表層還元もする。

本音としてはツインブローがキツイので辞めたいので、スムーズにいくやり方があれば知りたいです!(だいたい剛毛、太い毛の方が多くて)

よろしくお願いいたします。

・・・・・・・・・・

ふむふむ、、、

君は縮毛矯正専門店とかの美容師さんなのかな?

前回の記事で説明したのはあくまで一般的なサロンレベルの縮毛矯正でのお話だからね… 今回のお話とはちょっと違うかもね。

まず君の質問にお答えすると・・・

>質問の内容としては、捻転系の質感を取りたい場合はツインブローも有効ですか?

それとも還元剤の種類を変えるべきですか?チオ+少しシスアミ もしくはgmtの両親媒で表層還元もする。

君のめざす、波状(横波の癖)+捻転(髪を触るとガタガタしてる癖)の方をボコボコ?ザラザラ具合が綺麗な状態に縮毛矯正したい場合は、、、

  • しっかりと還元・軟化する薬剤反応
  • 水分や水素結合を利用する水抜きアイロンや水抜きブロー
  • ブラシやアイロンによるテンションやプレス圧
  • 形状変化させた状態での急速な温風乾燥と冷却による応力緩和など・・・

これらを髪質やダメージ具合や今までの薬剤使用履歴にぴったりと合わせた施術を行わないといけません。

>本音としてはツインブローがキツイので辞めたいので、スムーズにいくやり方があれば知りたいです!(だいたい剛毛、太い毛の方が多くて)

メーカーさんとかならこの薬剤を使用すればとかこのドライヤーやブラシを使えばなんていうかもしれないけど、髪のケラチンをむりやり形状変化させるためには、それなりに大変な工程もあるし薬剤や物理的作用もしっかりと行わないといけないからね。正直、そんなに都合の良いやり方は存在しないと思うよ。

ツインブローやツインブラシとかアイロンなどの技法やチオやシスアミ・GMTなどの薬剤も君のやりやすいもので出来るだけダメージリスクの少ない方法を考えるようにしましょう。

残念ながら今回の質問にはきちんとした回答は難しいよね。

ただ、こっからは君の質問とは違うけど、縮毛矯正を行う美容師さんたちに是非とも理解して欲しいお話があるので、少し長くなるけど書かせてもらうね。

 

縮毛矯正でビビリ毛やテロテロのハイダメージ毛にならないために

還元剤でシスチン結合を切断してアルカリ軟化した状態の髪の毛を、濡れてる状態でテンションかけて強く引っ張って100℃のドライヤー熱で一気に加温乾燥&冷却させたり、湿った髪を180℃のストレートアイロンでテンションかけてプレスする…

これらの施術は誰がなんと言おうと… 毛髪には多大な負担がかかって損傷してしまうのは理解できますよね!

 

場末のパーマ屋は縮毛矯正っていうメニューには大きく2種類あると考えています。

①一般的なサロンメニューとしての縮毛矯正

今なら低アルカリ高還元剤濃度の薬剤などで適正な還元を行い、ダメージリスクの少ない適度な水分量でのテンションを強くかけないシンプルなアイロン技法でくせ毛の伸ばすことでうねりやウェーブ形状はある程度伸びるけど、捻転毛などの楕円の毛髪形状までは矯正できない縮毛矯正です。

②ガタガタしてるなど毛髪質感まで修正する形成外科的な縮毛矯正やビビリ毛修繕矯正

毛髪の状態に合わせて限界近くまで還元軟化し、ウエットからのブローやアイロンやテンションをかけたツインブラシなどで高温処理したり応力緩和作用を利用したりして楕円や扁平の毛髪断面形状を円形に近づけてくせ毛を伸ばすだけでなく毛髪の質感向上まで可能にする縮毛矯正です。

 

まず一般的な縮毛矯正というのはね…君も美容師さんならよくわかると思うけど、現在はヘアカラーリングしてる方も多いので…

一般的な縮毛矯正ってこんな感じが多いでしょ↓

DO-Sの考えではヘアダメージも考えると、低アルカリ高還元剤濃度の薬剤のリタッチ施術でシンプルなアイロン技法でストレートスタイルを楽しめるのはこの程度の縮毛矯正が一般的だと思うんだよね。

 

んでね、この一般的な縮毛矯正の限界っていうのが、、、

例えば10年以上前の施術例なんだけど… ノンカラーの強めのくせ毛のお客さんを、当時美容師免許取り立てのアシスタントだった息子が施術したDO-S式の低アルカリ高還元剤濃度薬剤とゆるめのテンションのアイロン技法だけのシンプル縮毛矯正↓

 

カラーリングしてない髪質なのでDO-Sレシピのハードでそれなりにしっかり還元して施術してるけど、正直いって一般的な縮毛矯正での限界はこの程度だよね↓

美容師さんならわかると思うけどウェーブ状の癖は伸びてるけど、ガタガタした毛髪形状自体はそんなに取れていないで残ってるのもわかるでしょ!?形状は直らないけど見た目の質感は染み込むDO-Sトリートメントなどで出来るだけカバーしてました。

一般的な縮毛矯正ではうねりや曲がりはストレートになるけど、ガタガタ・細い・太いなど毛髪自体の形状を綺麗な円形にするのは不可能です!ガタガタの手触りや質感はDO-Sトリートメントやブロー・アイロンなどのスタイリングで修正してください。とお客さんにも説明してました。
普通の美容室なら、このぐらい仕上がりでくせ毛がストレートになっていれば十分メニューとして行えると思いますしね。

 

縮毛矯正っていうのは1剤のチオやシスアミなどで還元してS-S結合を切断し、2剤で再結合する薬剤の反応はパーマと同じなのでウェーブ状態などは取れるし、一般的なアイロン技法だけだどガタガタやきしめんやうどん状態の髪の形状を綺麗な円形に変えることはかなり困難なんだよね。

ここで…

②ガタガタしてるなど毛髪質感まで修正する形成外科的な縮毛矯正やビビリ毛修繕矯正

この特殊で強力な縮毛矯正が必要になってくるんだよね。

ガタガタの質感をよくするには断面が楕円や変形した毛髪を円形に形成する必要があるのですが、これにはより強く還元軟化して、ツインブラシや高温アイロンで水分があるうちにテンションやプレス圧をしっかり加えながら加温するなど… かなり強い薬剤反応と物理的処理が必要になるのです。

んでね、、、実際にヘアカラーリング毛や細毛、軟毛の方などは基本的にこれらの毛髪形状を変化させる縮毛矯正は施術不可能なほど、この形成外科的な縮毛矯正は当然髪の毛にとても多大なダメージを与えてしまうので、シャンプー後はテロテロでとてもスタイリングのしにくい状態になったり、最悪の場合悲劇のビビリ毛になったりなど、スーパーハイダメージ毛になってしまう危険性が高いのです!

場末のパーマ屋が現役美容師だった頃は全国からビビリ毛に悩む方から相談されたり、遠くからわざわざ岡山のサロンまで来店されてたりしたのですが…

ほぼ100%、ヘアカラー、デジパーなどの施術履歴や軟毛・細毛などのダメージ具合・髪質に合わない、形成外科的な縮毛矯正での失敗が原因です!

しかもその多くは縮毛矯正専門店さんや縮毛矯正を得意とするようなサロンさんとかで、当時縮毛矯正の技術セミナーをしていた知り合いの有名美容師さんがうちの薬剤を使用してビビリ毛になったのでなんとか直して欲しい!な〜んて困った事例も何件もありました(汗)

連珠毛や捻転毛などの髪の断面が楕円などのくせ毛を円形に形成する縮毛矯正は施術したては見違えるぐらい綺麗になっても数ヶ月後にビビリ毛やテロテロのハイダメージでセルフスタイリングが困難な髪になったりします。
しかも美容師さんの薬剤や加熱処理の判断ミスなどの施術ミスだけでなく、縮毛矯正後のお客さんの間違ったホームケア等でもハイダメージ毛やビビリ毛になることもあるのです。
以前相談を受けた事例では、縮毛矯正専門店で強い縮毛矯正をした後に他のサロンでデジタルパーマとヘアカラーをして全体に酷いビビリ毛になった方などもいました。

くせ毛の方を出来るだけ綺麗にしてあげたい!っていう美容師さんの気持ちはよくわかるのでですが… よかれと思ってきちんと説明もなしに勝手に強い縮毛矯正をしていませんか?

ちょっとした判断ミスや施術ミスやお客さんの間違ったホームケアでボロボロのハイダメージ毛や悲劇のビビリ毛になってしまうようなリスクの高い縮毛矯正をするなら、きちんとお客さんに説明して話し合いちゃんと許可をもらってから行うようにしましょう!

例えば、病気で命に関わるような手術を行うなら担当の医師はリスクも含め患者さんにわかるようにきちんと説明して、それなりの同意書なども書いてから手術しますよね。同様にビビリ毛なんて修復不可能な髪の生命に関わるような悲劇ですからね。

強力な縮毛矯正を施術しようと思う時は

  • 最新の注意を払って施術しますが、いくらかの確率ではどうしてもビビリ毛や酷いダメージ毛になる可能性があります。
  • この縮毛矯正をした部分は伸びてカットするまでヘアカラー・ブリーチ・パーマ類はできません。
  • この縮毛矯正をしたら薬剤残留を防ぐためアミノ酸系シャンプーやツヤサラトリートメントは辞めて専用のシャントリやヘアケア製品を使うようにしましょう。

などなど他にも考えられることはあると思うけど、正直全体まではならなくても顔周りの細い毛だけでもビビっちゃうケースなんてザラにあるし(汗)
ビビリ毛までならなくても癖毛はストレートになってもハイダメージで櫛通り・指通りの悪化など普段の手入れがとてもやりにくくなっちゃうケースも実に多いんだよね。実際にお客さんによってはストレートになってハイダメージ毛になるより、多少クセが残ってもダメージが少ないほうが扱いやすくで手入れがしやすい場合も多いはずだからね。

そのお客さんに起こりそうなリスクはちゃんとお話してあげることで、お客さんの理解も深まって縮毛矯正によるビビリ毛やハイダメージはかなり防止できると思うんだよね。

ビビリ毛の相談を受けてると、ビビリ毛になった方のほとんどは事前にこんなお話は聞いていないし、ビビリ毛になってしまって担当した美容師さんに相談すると大半は「貴方の髪質のせいです(汗)」と言われるケースが多いんですよね(涙)

縮毛矯正は仕上がり時の癖毛の伸び方や質感と施術後のヘアダメージ具合をよく考えて、それをお客さんとしっかり共有して、メリット・デメリットを理解してもらった上で行うようにしましょう!

 

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