現在場末のぢ〜ぢには孫が9人います(笑)
ゴールデンウィークに入り、
孫たちが来たりして忙しくしております。
読者さんからの質問も少し溜まってて
順番にお答えしていくのですが・・・
ちょいと美容師さんのパーマや
縮毛矯正の1剤の質問が数件あるので
まずは そいつの説明のためにも
薬剤スペックの基礎編を書いておきますね。
パーマ・縮毛矯正の1剤のスペックとは?
例えば DO-Sパーマ剤で一番売れてるコイツ
↓
DO-SカールL8
この薬剤のスペックは???
チオグリコール酸 2%
システアミン 4%
pH 8.3 程度
アルカリ度 2.7ml 程度
※pHとアルカリ度には条件により多少の誤差があります。
そう この薬剤スペック(性能)
とはどういうものなのか?
基礎を解説しとこうと思います。
まず パーマや縮毛矯正の1剤は
このような成分で作られています。
↓
まず こういう製品はみんなだけど
大半を占めるのが 水
んで パーマや縮毛矯正が出来るキモにあたる
毛髪のS-S結合を切断する 還元剤
その他の成分 ってのには
モノエタノールアミンや
アンモニアなどのアルカリ剤や
乳化剤、キレート剤、pH調整剤、
感触向上剤などの被膜成分、
油分、防腐剤、香料などなど
リキッドやクリーム、ジェルなどの
薬剤を作るためには
いろんな成分が使われています。
そう これら色々な配合成分で
薬剤のスペック(性能)が
決まってくるんだよね。
※わりと多くの人が、pHとアルカリ度が関連してるように思ってたりしますが、アルカリ度は その他の成分 の配合で随分変わります。なのでpHとアルカリ度は違うもんだと思ったほうがいいです。
このアルカリ度は薬剤の制作者の考えで 残留によるダメージを抑えるためにアルカリ度を低くしたり、還元剤の安定感を持たせる為に あえてアルカリ度を高く設計したりもします。
んじゃ 薬剤スペックはどんなものなのか?を説明するんだけど、
前述のカールL8はシスアミとチオのハイブリットなんで
もっとわかりやすいチオだけのDO-S チオローション9.2 で説明するね
DO-S チオローション9.2
昔っから 一番の定番である
シンプルなハードタイプのチオのパーマ液だね。
こいつのスペック(性能)は?
チオグリコール酸 6%
pH 9.2
アルカリ度 6.7ml
パーマ、縮毛矯正の1剤のスペック
ってのは 4つの項目で表してる
↓
これらの項目が何なのか?を説明すると…
還元剤の種類
パーマ、縮毛矯正で使われる還元剤には チオグリコール酸(チオ)、システアミン(シスアミ)、チオグリセリン、システイン(シス)、サルファイト、スピエラ、GMTなどがある。
基本的にはチオとシスアミが還元力が強く まともに使えるとしたらこの二つぐらいで、その他は単品では ダメージ毛以外は、ほぼ使えないほど 還元力は弱いと思っておけばいいです。
あと シスアミは髪の表面部分を主に還元するけど、チオはある程度内部まで還元するなどの特徴もありますし、pka(酸解離定数)の数値で pHにより働きの違いがあるので、例えば pH8ぐらいなら チオは還元力は強くなくて、シスアミのほうが還元力が強いなんてこともあります。
還元剤の濃度
これは そのままだね(笑)還元剤がどの位の濃さで入ってるか? 当然、濃度が高いほど還元力も強くなります。
たとえば 一番メジャーなチオだと薬機法で11%まで入れても良いとされていますが、ただその時はチオの濃度が7%以上のときには、越えた%分ジチオを必ず配合することと決まりがあります。
アルカリの値
ピーエッチ?水素イオン濃度のことなんだけど、薬機法では薬剤により多少違うけど、pH9.3〜pH9.6 ぐらいまで許可されてます。
ま〜これも そんなに難しく考えないで、数値が高いほど還元剤はよく働く と思ってください。薬剤のアルカリ剤としてはモノエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニアなどが使用されています。
アルカリの強さ
これが一番難しいんですが… 例えばこのチオローション9.2なら、モノエタやアンモニアなどのアルカリ剤が 6.7ml 配合されてると勘違いしちゃてる人が本当に多いんです(汗)
アルカリ度っていうのはね、ある一定条件(温度、湿度、分量)でアルカリ性の薬剤を中性(pH7)にするには 規定の塩酸を何ml 混ぜるか?って事なんだ。
例えば このチオローション9.2なら 塩酸を6.7ml 混ぜる とpHが中性になるって事なんだよね。
そう これらの4つの項目が
パーマや縮毛矯正の1剤の
薬剤スペック!
これらの薬剤スペックの数値で
だいたいの 薬剤の特性がわかるんだ。
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