縮毛矯正で毛束の中央部分のみ癖が伸びませんでしたが…

理美容師さんからの質問

ビビり毛やハイダメージなどのトラブルや失敗の少ない縮毛矯正を行うための還元剤(1剤)

出来るだけ理美容師さんが失敗しにくくて還元の計算がしやすいストレートパーマ、縮毛矯正用のクリーム、ジェル系の薬剤で、場末のパーマ屋では『低アルカリ』で『高還元剤濃度』な還元剤を推奨している。

この低アルカリ高還元剤濃度の還元剤では、チオグリコール酸がメインで、表面還元がメインの【システアミン】や還元の妨害をしがちな【ジチオグリコール酸】などは使用しないなど… いくつかの注意点もあります。

 

低アルカリ高還元剤濃度の1剤では、システアミンやジチオジグリコール酸は使用してはいけません。

 

 

んじゃ 今日の読者の美容師さんからの質問ね

・・・・・・・・・・

はじめまして。

さるわかクリープ時代よりブログ購読させて頂いております。

質問なのですが、先日小学生のお客様で縮毛矯正をさせて頂きました。

髪質は細毛縮毛強め、乾燥毛、ダメージはほぼ無し、長さは鎖骨下、縮毛が強いため今までずっと結んで過ごしていて、縮毛矯正は初めてで直近でイベントがあるからと言う事で、仕上がりを楽しみにされていたんですが、伸びは残念な結果になってしまいました。

それが、不思議な癖の残り方で、毛束の中央部分のみが強めに残っておりました。

中央部以外は

薬剤は○○○○○○○○のDCストレート:PM7=1:1で根本から毛先まで塗分け無しで塗布、20分放置。

ドライ後アイロンは180℃でゆっくり1スルーです。

還元不足か熱入れ不足かだと判断しまして、後日再来店して頂いて薬剤のスペックを癖の残った部分にチオを多めに設定して塗布。(他はPM9)

軟化還元はOKと判断しアイロン180℃でゆっくり1スルー。

結果は1回目とほぼ変わらず、中央部に癖が残りました。

他の部分の伸びはOKでした。

色々考えてみたのは、もしかしたらずっと結んでいたための結び目の癖で、縮毛矯正ではそれが取れなかったんではないかと思ったんですが、縮毛矯正では強く残っている結び目の癖は取りづらいなどあるものでしょうか?

仮説で有るため他の原因が有るかもしれませんが、どSさんの意見を聞かせて頂けますと有難いです。

・・・・・・・・・・・

ふむふむ・・・

>不思議な癖の残り方で、毛束の中央部分のみが強めに残っておりました。

 

君の薬剤塗布やアイロン施術に問題がない限りだけど、、、簡単にいうと

『結び目?ゴム跡?部分の、軟化はしたけど還元不足だった』

ではないかと思う(汗)

 

個人的な感想だと、塗布技術やアイロン技術に問題がないとしたら、細毛の方にしてはアルカリが強すぎるし、還元剤濃度や還元剤のセレクトがイマイチ間違ってるような気がするね・・・

 

還元不足の原因としては、、、

①ずっと結んでいたテンションと結び目の癖

②初回のPM7、2回目のPM9のシステアミン

③DCストレートに配合されてるジチオジグリコール酸

この3つの組み合わせで起こった可能性が考えられるね。。。

 

どS美容師のセミナー風景の画像

まず

①ずっと結んでいたテンションと結び目の癖

君が言ってる >縮毛矯正では強く残っている結び目の癖は取りづらいなどあるものでしょうか?

これは確実にあるからね、場末のパーマ屋が現役時代などはこういうお客さんには施術前に「結び跡、ゴム跡は縮毛矯正してもあまり伸びない場合があるので了承してね!」って必ずクレームにならないように説明してたもんだよ。

なぜ ゴム跡が縮毛矯正で伸びにくいのかというとね。。。

そもそも、髪の毛のS-S結合(シスチン結合)の5%程度 は何もしなくても切れたりくっついたりしててね… ずっとゴムなどで結んでるとその部分のS-S結合がランダムに切れて再結合してパーマしたみいにシャンプーしても取れない癖がついてるんだよね。

ゴムで結ぶと強いテンションがかかってるので、普通のパーマでは考えられないような、例えば、普通では絶対に結合なんてしないハズの髪の内部とキューティクル部分のシスチン同士が強くS-S結合したりとかするので縮毛矯正やストレートパーマをしても なかなか取れにくい状態 になってる場合が多いんだ。

ただ、こいつが厄介なのは、、、普通に縮毛矯正で取れてしまう場合もあるし、こういう初めての場合で健康毛などはクセが伸びていない場合もあるんだよね(汗)

低アルカリ高還元剤濃度の還元剤などで軟化しすぎを防いできっちり還元すればこういう癖も伸びるケースもあるけど、、、細毛、軟毛、猫っ毛の場合はあまり強く還元しすぎるとその部分で切れ毛になったりする可能性もあるので、施術前にお客さんには無理してしっかり伸ばしすぎないようにするとか説明しといた方が無難だね。

ま〜基本的に、個人差は大きいけど縮毛矯正では強く残っている結び目の癖は取りづらいと思ったほうが良い。

 

そんで、君の場合はこの状態のところに二つの薬剤選定ミスが重なったかも知れないね。。。

②初回のPM7、2回目のPM9のシステアミン

PM7とPM9の還元剤は100%システアミンなんだけど、、、

基本的にシステアミンってのはイオンの関係で 髪の表面付近しか還元できないんだ!

髪の表面付近だけ作用するので手触りやツヤは良く仕上がるけど、、、内部の還元力が弱いので縮毛矯正で癖を伸ばすのはちょいと苦手な還元剤なんだよね!
だから結び目跡などの髪の内部のシスチン結合は還元しにくいケースが考えられるのだ。

◉縮毛矯正に表面還元がメインのシステアミンは使わないほうが良い!

この記事を読んでみてね↓

縮毛矯正の還元剤 と システアミン

縮毛矯正の還元剤 と システアミン
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※パーマの場合は、表面還元はプリンとしたカールになりやすくお勧めです。

 

③DCストレートに配合されてるジチオジグリコール酸

DCストレートには4%のジチオジグリコール酸が含まれているんですが、、、ご存知のようにジチオジグリコール酸は還元の妨害をします。チオグリコール酸はもとよりシステアミンの反応の抑制もします。しかも、どのぐらい還元の妨害をするのか計算が出来ません(涙)

特に強いテンションが加わった結び目ゴム跡部分などは、薬剤浸透も通常と違うのでもしかしたらジチオジグリコール酸で還元の妨害も多くする可能性も考えられます。

◉縮毛矯正に計算しにくいジチオジグリコール酸は使わないほうが良い!

この記事を読んでみてね↓

ジチオジグリコール酸が配合されたパーマ剤

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パーマ剤・・・ 特にストレート剤縮毛矯正剤とかに多いんだけどジチオジグリコール酸が配合されたパーマ剤ってのがあるこれは 薬事法で決められているパーマ1剤の基準でね・・・チオグリコール酸のコールド式パーマネントウェーブ剤なら・・・・・・・・・...

 

あと、、、2回目なども細毛の2回目にしてはアルカリが強いわりに還元剤濃度はそうでもないので、テストした時は強いアルアリで軟化はしてるけど、還元自体はイマイチだったような感じもするよね。。。

 

DO-S式の低アルカリ高還元剤濃度の薬剤

DO-S式縮毛矯正剤 全ては失敗を少なくするために

パーマ・ストレートパーマ・縮毛矯正に関するよくある質問

 

 

結び目跡、ゴム跡などは縮毛矯正では取れにくい場合もあるし(個人差大)

そもそも縮毛矯正の薬剤はあまりアルカリ性が強くなくて、ムラが少なく美容師が計算しやすくトラブルの少ないシステアミンやジチオジグリコール酸は配合してない1剤のほうが絶対に良いからね。

 

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コメント

  1. 平山義和 より:

    ご指南ありがとうございました。
    ジチオに関しては見直したいと思います。
    還元チェックに関してはリングコームに巻き付けたり、ロッドを巻いて確認してますがこちらも見直したいと思います。
    あと、中間水洗後の濡れている状態で癖が取れていても、還元不足の可能性が有るかは判断が難しいですね。
    質問に書いておりませんでしたが、仕上げのドライ前はは癖は出ておらず、乾かしていく段階で中間部だけ癖が徐々にでてくる感じでした。
    初めての経験だったので戸惑いましたが、ご指南により次回からのステップアップに役立たせて頂きます。
    ありがとうございました。

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