ダメージ毛でパーマのカールが出にくいのは、もう髪の限界なのでしょうか?

理美容師さんからの質問

んじゃ今日の美容師さんからの質問ね

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こんにちは。 いつもお世話になっております。
パーマについて昔から思ってることがあり、ウィッグでは有効な検証結果が得られなくてモヤモヤしていることがあるのですが、よろしかったらご意見をお聞かせ願えませんでしょうか?

ダメージ毛である程度長さのある髪に対してカール、ウェーブを出したい時に(応力緩和を使うこと前提で)、無難にL7程度の低アルカリ高還元の薬を使うと思いますが、傷んでタンパク質が減ってると重力に逆らって持ち上がりにくくなります。
矛盾してると思いますが、タンパク質が減ってる≒傷んでる髪なら低アルカリで薬剤は浸透しますが、”イオン結合”の力を使うことができなくなります。

縮毛矯正やパーマでも低アルカリ高還元の考え方はいい結果を出すものと思ってますが、このイオン結合の影響力や比重というのは、実際にはどれほどのものなんでしょうか?

昔のパンドラクリームのように還元剤濃度が低くても、中アルカリなら還元力も補われ、イオン結合の力でカールの形成力が増すならいいかなと思うのですが、ウィッグでは人毛のような結果が出てくれません。
ダメージ毛でカールが出にくいのは、それがもう髪の限界なのでしょうか?

メンズのバージン毛(短い)は一番強い薬剤しか使えないのに対し、女性などカラーの入ったミディアムヘアに応力緩和を使うと、使わない場合のよりも低アルカリの薬剤でかけれるので、傷みにくくて良いのですが、ケースによっては応力緩和の形成力とは質の違ったような、アルカリを強くした方が良かったのではないか?と結果を見て思うことがあります。

長くなりましたが、あまり日の目を見ないイオン結合というのは実際に形成されているカールの内、どの程度の比重を占めていて、どのあたりのPHを下回ると急に鈍くなるといった境目とかはあるのでしょうか?

加えて、昔流行ったという、傷んでない髪に酸性パーマをかけるというのは論外ですが、まあまあなダメージ毛に対して、イオン結合の力を利用できるくらいにアルカリを上げれるだけの還元剤濃度に調整するといった理屈は、(色々と天秤にかけて)良いパーマに仕上がると思われますか?

Do-sさんのご意見をお聞かせ願えませんでしょうか。

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はいはい!

>縮毛矯正やパーマでも低アルカリ高還元の考え方はいい結果を出すものと思ってますが、このイオン結合の影響力や比重というのは、実際にはどれほどのものなんでしょうか?

まずね、場末のパーマ屋的には縮毛矯正のように大量のジスルフィド結合(SS結合)を切断する必要のある場合は低アルカリ高還元剤濃度の薬剤が安全性が高く適してるとは思ってるけど、そこまで大量のS-S結合を切断する必要のないパーマの場合なら適正なアルカリで適度な還元剤濃度が合ってると感じてるよ。

んでイオン結合の影響力なんだけど、パーマに関して言えばさほど大きな影響はないと思ってる。

たとえば、パーマの場合のイオン結合はアルカリ性で切れて酸性になると再結合するんだけど、んじゃ強めのアルカリ水をつけてロッドに巻いてからアシッド剤で酸性にしてもカールが作られる訳でもないし…
あとパーマをかけた後で強いアルカリ性のヘアカラー剤やブリーチ剤をつけたら、少〜しだけパーマがゆるくなるよね、、、多分せいぜいその程度がイオン結合のパーマへの影響力ではないのかな?

これは髪質やダメージ具合によって個人差はあるけど、パーマの時にアルカリでイオン結合が形成されたのがカラー剤のアルカリでもう一度切断された分だけゆるくなってる訳で、S-S結合はそのまま残ってるって事だからね。ま〜イメージ的には個人差はあるけどイオン結合の影響は1割もない感じかな…

※ただ個人差があるのでイオン結合が全く影響していない訳でもありませんけどね。

アルカリのパーマへの影響力というのは、基本的には『イオン結合』によるカール形成力よりはpkaの関係でアルカリが強くなればなるほどチオグリコール酸などの還元剤がイオン化し、還元力が強くなることでのカール形成力UPということだと思うよ。

 

>メンズのバージン毛(短い)は一番強い薬剤しか使えないのに対し、女性などカラーの入ったミディアムヘアに応力緩和を使うと、使わない場合のよりも低アルカリの薬剤でかけれるので、傷みにくくて良いのですが、ケースによっては応力緩和の形成力とは質の違ったような、アルカリを強くした方が良かったのではないか?と結果を見て思うことがあります。

ふむふむ… これはよくある話なんだけど、君はプレクリープ(応力緩和)することでパーマがかかりやすく(形成力UP)なるので、プレクリープしない場合より低アルカリなどの優しい(ゆるい)薬剤でもかけれるから髪の傷みの軽減になると考えてるんだよね?

ここが場末のパーマ屋の考え方とはまったく違うんだよね、、、

 

10年近く昔の記事だけど読んでみて↓

どS美容師式パーママニュアル『DO-Sプレクリープパーマ』

どS美容師式パーママニュアル『DO-Sプレクリープパーマ』
場末のパーマ屋のどS美容師ま〜一般的には『DO-Sシャンプーのおじさん』ぐらいに思われているらしいが・・・(笑)一応美容師間でパーマの分野ではまぁまぁ知られているんだよ。んでちょいと前から2016年度版のパーマのマニュアルを公開してきた。ど...

場末のパーマ屋の推薦するプレクリープ(応力緩和)は優しい薬剤でダメージを少なくするのが目的ではなく、大きなカールでもしっかりプリンとかかるので、持ちもよくスタイリングが簡単になるっていうのが目的です。

従来のパーマのかかり具合が①としたら、プレクリープ(応力緩和)を利用すると②のようなかかり上がりになるという感じです↓

簡単に説明するとプレクリープパーマはヘアダメージ軽減の技法ではなく、従来のパーマよりしっかりプリンとした大きめのカールで持ちもよいパーマをするための技法ということなんだよね。

 

>ダメージ毛である程度長さのある髪に対してカール、ウェーブを出したい時に(応力緩和を使うこと前提で)、無難にL7程度の低アルカリ高還元の薬を使うと思いますが、傷んでタンパク質が減ってると重力に逆らって持ち上がりにくくなります。

確かにプレクリープでしっかりカールが形成されるのは普通毛〜太い毛の健康毛〜軽いダメージ毛ぐらいが対象で、細毛・軟毛やハイダメージ毛などのそもそもケラチンの少ない髪質やダメージにはなかなか難しいのが実際のお話なんだよね。

君のいうとおり

>ダメージ毛でカールが出にくいのは、それがもう髪の限界なのでしょうか?

ダメージ毛や猫っ毛さんなどで、そもそものケラチンタンパク質やS-S結合が少ないとしっかりカールは難しいですからね… 確かにその髪の限界といってもいいと思います。

そういう髪質の場合はプレクリープだけじゃなく、1剤還元後にもう一度エアウェーブで完全乾燥させてからドッカン酸化させると少しはしっかりかかる場合もありますが…

その方の髪質やダメージ具合からどのくらいのケラチンがあるのか?どのくらいの強さのカールを出すことが可能なのかを判断してその中からどういうパーマスタイルを提案したらいいのかを考えるのが美容師の大切な仕事だと思うよ。
例えば、ハイダメージのカラー毛猫っ毛さんとノンカラーの健康毛の方では作れるパーマスタイルも全然違うハズなんでそこらをどう提案して髪型を考えるのか?だよね。

 

まとめると、、、

同じ髪質・ダメージの髪ならアルカリの強い(pHの高い)1剤でパーマしたほうがしっかりかかって持ちも良くなるけど、それはイオン結合が影響してるというより、多くはpkaの関係で還元剤がしっかり働いてS-S結合を沢山切断(還元)しているからと考えたほうがいいです。

あとプレクリープ(応力緩和)することでパーマのかかりが良くなるのは確かなのですが、その時にアルカリを抑えた優しい1剤で従来と同じようなパーマをかけてダメージ軽減を狙うというよりは、適切な強さの薬剤でよりしっかりカール、持ちのよいパーマを目指したほうが良いと思うよ。

 

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