18-MEAが剥がれてしまうのが髪の傷み・ヘアダメージのスタートラインと呼ばれます。
18-MEA(18-メチルエイコサン酸)とは、髪の毛の表面にあるキューティクルの、そのまた表面に存在する脂肪酸のこと…
18-MEAというのは、毛髪特有の脂肪酸でキューティクルの表面を覆って水をはじき、髪同士が絡むのを防ぎ、髪の滑りをよくして柔らかな感触とサラサラした動きを感じさせるのも18-MEAの仕事です。
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疎水トリートメントの謎から始まった場末のぢ〜ぢのヘアトリートメントシリーズ
ちょいと今度は18-MEAなんぞと言うモノを紹介しとこう♩
理美容師さんたちでも18-MEAと聞いたら、シャンプーやトリートメントに含まれている成分? ぐらいしか認識のない人も意外に多いんだよね(笑)
18-MEAはトリートメントに含まれる成分だけなんかじゃなく、元々髪の毛に存在するモノなんだ!
18-MEA(18-メチルエイコサン酸)って一体どういうものなの?
場末のパーマ屋は髪の毛を海苔巻きで例えますが↓
その表面の海苔の部分…こいつがキューティクルと呼ばれるものです。
今までもキューティクルのダメージ問題は取り上げてきたよね
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ここらではみんながこんがらがっちゃうから、18-MEAの関しては全くふれてもいないが…
実はこのキューティクルの表面に存在しているのが18-MEA(メチルエイコサン酸)なんだよね。
健康毛だとこんな感じ
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そうキューティクルの表面にた〜くさんくっついてるものなんだ!
1個を見るとこんなアンテナ見たいな形でね
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このアンテナみたいなものがクルクルと動いて、髪の表面の滑りを良くして髪の毛同士が絡まないようにとかひっかからないように指通りや櫛通りをよくするものなんです。
18-MEAはキューティクルの表面を覆って髪の滑りを良くするモノ
髪の毛の表面のキューティクルのそのまた表面に存在する18-MEA
こいつは 天然のシリコン皮膜 とも呼ばれる髪の毛同士をもつれにくくしたり滑りを良くしてくれる重要なものなんだ!
脂質なんでバサバサの乾燥も防ぎ、みんなが健康毛をサラサラツヤツヤって感じるのも、もっとも髪の外側にあるこいつのおかげなんだね!
あと、18-MEAは油みたいな疎水性の強いもんだから、健康な髪を濡らした時に水を弾くのも、この18-MEAがあるおかげなんだ。
髪の毛の表面が疎水になるのも、髪の毛がもつれないのも、滑り(手触り)が良くなるのも、この『18-MEA』のおかげなんだね!
よく子供さんの髪や健康毛の人が、水を弾いてトリートメントやコンディショナーなんかしなくてもツヤサラなのはこの18-MEAさんのおかげなんだ♩
とても剥がれやすくで剥がれると再生しない18-MEA
髪の毛が水を弾くような疎水性にしたり、サラサラ、ツヤツヤの滑りの良い状態にするのは、ほとんどがこの18-MEAのおかげ!
ただ こいつは とっても 弱っちい のだ(笑)
シャンプー、ドライヤー、ブラッシング、紫外線、高温などでも少しづつ剥がれていくし、アルカリや還元剤、脱色剤などの薬品なんかにはとても弱いんだね。
例えばパーマや縮毛矯正なんかなら、たった1回の施術で30〜50%ぐらい剥がれると言われてたり…
強いアルカリ性のヘアカラーリング剤なんかなら、たった1回の施術で70〜80%も無くなってしまうとも言われてる。。。
ちなみに明るくブリーチなんぞすると、たった1回で全て消失したというデータすらある。
しかも、この18-MEAは剥がれてしまうと二度と再生することはない(涙)
理美容師さんならあるある話だが、バージン毛の人がたった1回のヘアカラーでその薬剤に含まれる感触向上剤が取れたら、いきなり手触りが悪くなったりしないか!?
美容師さんとかがお客さんの髪を触ってヘアカラーやパーマの履歴があるかどうかがわかるのも、結構この18-MEAの手触りだったりするんだよ♩
健康毛には18-MEAは密集してるので滑りもいい
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ダメージ毛の18-MEAは剥がれてて少ない
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このように18-MEAが少なくなりと髪の滑りが悪くなり疏水性も低くなってしまうんだよね。
しかも一番の問題は18-MEAは剥がれてしまうと二度と作られることは無いって事なんだ!
アルカリヘアカラーを3〜5回程度もしちゃえばほとんど無くなってしまうほど弱っちい18-MEAは、
一度剥がれてしまうと、何をしようと何をつけようと絶対に 再生はできないのだ!
※キューティクルは3〜8層あるのですが、それぞれのキューティクル層に18-MEAはあります。
※トリートメントやコディショナーに配合されてる18-MEAをつけても、髪の毛と同化も結合もしないので18-MEAが増える事も再生することもありません。
18-MEAが剥がれてしまったらどうするの?
子供の頃やまだ毛染めやパーマ、ストレートパーマなどをしていない頃は、シャンプーだけでとくにコンディショナーやリンス、トリートメントなどをしなくても、指通り・櫛通りもそれなりによく、乾くとツヤサラ髪だったことがありませんでしたか?
しかしヘアカラーやパーマをすると、シャンプーだけでは髪同士が絡んだり、ひっかかったりしますよね!?こんな経験がある方は多いと思うのですが、これが18-MEAがヘアカラーやパーマの薬品で剥がれてしまってキューティクル表面の滑りが悪くなった!ということなのですね。
※シリコンや感触向上成分の配合されたシャンプーを使用するとわかりにくい場合もあります。
では18-MEAが剥がれてしまったらどう対処したらいいのでしょう?
答えは簡単です…
18-MEAの代わりに髪の滑りを良くするような、キューティクル表面をコーティングするものをつけたら良いのです。
ただし… ここで注意してほしいのが…
髪の毛の表面のコーティングによっては髪の毛を傷めてしまうのです!
表面コーティングで髪は傷んでしまいます
健康毛では髪の表面に18-MEAがあるので滑りが良く髪同士が絡んだりしにくいのですが、毛染めやパーマ、ストレートパーマや普段のヘアケア等で18-MEAが剥がれてくると、指通り・櫛通りや手触りも悪化して髪が傷んでいきます。
天然の表面コートである18-MEAは一度剥がれてしまうと再生も修復も出来ないので、トリートメントやコンディショナー、リンス等の皮膜成分で18-MEAの代わりにキューティクルに表面コートをしなければいけません。
ただしこの時に 持続性の良いものや強すぎる表面コーティングをすると 髪の水分調整が上手く出来なくなり、髪の命と言われる『結合水』が減少してしまい髪の毛を傷めてしまうのです。
これをわかりやすくスキンケアで例えると…良いコーティングは乳液や美容液などになりますが、悪いコーティングはファンデーションやコンシーラーのような感じになると思います。
洗顔後に乳液をつけるのなら肌に悪くはなさそうですが、強くコーティングするファンデーションならお肌を傷めてしまいそうだと思いますよね。
このようなファンデーションタイプのトリートメントやコンディショナーを使用してると、夜家に帰ってメイクを洗顔剤で落として、すぐにまたファンデーションを塗りたくって就寝するようなものですし、持続性の高いサロントリートメントや髪質改善メニューなどでツヤサラにするのは『いくら洗顔しても数週間は取れない超強力ファンデーションを塗っているようなもんです。どちらもお肌に凄く悪そうだと思いませんか?
このように18-MEAが減少してギシギシする髪にファンデーションのような強いコーティングをしてしまうと余計に髪は傷んでしまうものなのです。
※特に18-MEAがほとんど無くなるほど傷んでしまうと余計にコーティング成分が強く吸着してしまうので注意してください。
持続性のある強いコーティング = 過ぎたるは猶及ばざるが如し
これまで書いてきたように、18-MEAが減少したり無くなったりしてシャンプーだけでは髪がギシギシして絡んでしまうようになった場合… 失ってしまった18-MEAは再生されないのでトリートメントなどの表面コーティング剤で18-MEAの代わりに髪の滑りをよくする事が必要になります。
ただ、このトリートメント類での表面コーティングは皮膜力が強かったり持続性が高すぎると髪の毛が傷んでしまいます。
ですので普段のヘアケアでは髪の傷みを軽減するなら、スキンケア製品でいうファンデーションではなく、洗顔後につける乳液や美容液のようなトリートメントやコンディショナーにするべきですし…
施術すれば数週間はツヤサラ美髪になれるような髪質改善メニューやサロントリートメントは出来るだけしないほうが髪の毛は傷まないと思います。
トリートメントは髪を傷めます!その仕組みとヘアダメージする原因とは?
※こちらは2017年2月3日の書かれた記事をリライトしたものです。
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