んじゃ今日の読者の美容師さんからの質問ね
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下記のような記事を見つけたのですが、Ph9.5の縮毛矯正一剤水洗後、
このようなphを8程度にする酸リンスは必要なのでしょうか?
以前のブログでは酸リンスは二剤の妨げになり、パーマも縮毛矯正も必要ないという記事を見つけました。教えて頂けると幸いです。
“縮毛矯正の過酸化水素水(オキシドール)の2剤は塗布した時に髪のpHが9〜10近くになっている場合は過剰に活性酸素が発生して発熱します。
発熱状態の活性酸素はS-Sの再結合を行わないで、システインをシステイン酸にしてしまいます。
また、髪の毛のケラチン自体の主鎖も分解して強度を低下させ髪を傷めます。
そのため過酸化水素水2剤の塗布時に発熱させないために、アイロン時の髪をpH8以下にしておかないといけません。
そのためにアイロン施術前に弱いアシッド剤等でアルカリを少し中和しておく必要があります。
ただし、過酸化水素水の2剤は中性から酸性ではS-S再結合ができなくなりますので、pHを下げすぎてもいけません。
参考までに、pH9以上のアルカリが残留した髪に180℃程度のストレートアイロンで縮毛矯正の施術をした場合、S-Sが破壊されてランチオニン結合になり2度と還元剤で切れない髪が生まれます。
これが癒着と合わせて、縮毛矯正した髪にパーマでウエーブやカールがつかなくなる原因です。”
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ふむふむ・・・
どっかのケミカル美容師さんが書いてるのかな?卓上の理論での薬剤反応の知識はそこそこ解ってるような感じだね。 でも… ちょっと大袈裟すぎる感じかな(笑)
シスチン酸とかランチオニン結合とかのお話は説明すると難しくやっかいなとこも多いし、トータルで考えていかないといけないので場末のパーマ屋はあんまり詳しく触れてないしね(汗)
シスチン酸、ランチオニン結合のことは、このコラム記事で検索してみて↓
今回のことを考えるのなら、まずパーマや縮毛矯正での基礎理論をしっかり理解しとかないといけません↓
- パーマ・縮毛矯正の薬剤反応は髪が濡れてる時に起こる。
- 水素イオン濃度(pH)は髪が濡れてる時の話で、乾いてる時はアルカリ性も酸性もない。
>縮毛矯正の過酸化水素水(オキシドール)の2剤は塗布した時に髪のpHが9〜10近くになっている場合は過剰に活性酸素が発生して発熱します。
発熱状態の活性酸素はS-Sの再結合を行わないで、システインをシステイン酸にしてしまいます。
また、髪の毛のケラチン自体の主鎖も分解して強度を低下させ髪を傷めます。
ちょっと大袈裟に言い過ぎですね…
実際に縮毛矯正の2剤の時に発熱した経験を持つ美容師さんがほとんどだと思いますが…
その時にS-S再結合を全く行わず、主鎖を分解して物凄〜く髪が傷んだ!って経験はないですよね。ほとんどが2剤で発熱したとしても、通常とそんなにダメージ差を感じない程度ですよね。
ま〜実際は、pH9.5の1剤だとpH8の薬よりも少しシスチン酸が増えてしまうレベル だと思います。
>そのため過酸化水素水2剤の塗布時に発熱させないために、アイロン時の髪をpH8以下にしておかないといけません。
そのためにアイロン施術前に弱いアシッド剤等でアルカリを少し中和しておく必要があります。
ただし、過酸化水素水の2剤は中性から酸性ではS-S再結合ができなくなりますので、pHを下げすぎてもいけません。
pH9.5の1剤で還元した髪を、確実にpH7.5〜pH8程度に中和できるアシッド剤なんてどこにあるのでしょうか?DO-Sアシッドのように酸度があるものなら確実に弱酸性までなっちゃうし、一般的な酸度の少ないアシッド剤でもどれがそんなに絶妙に中和できるのかが疑問です。
アイロン前に強いアルカリ性になった髪をどんな髪質でも確実にpH7.5〜pH8程度に中和できるアシッド剤なんてとても難しいお話ですね。
確かにオキシの2剤前はあまり強いアルカリ性ではなく、pH8程度にしていた方が髪の傷みは少ないハズですが、不安定なアシッド剤等で抑えるよりは場末のパーマ屋では 低アルカリ高還元剤濃度の1剤の使用 を推奨したいですね!
低アルカリ高還元剤濃度の縮毛矯正1剤は、アルカリ暴走や過還元の危険性を少なくするだけでなく、過酸化水素水での2剤時のシスチン酸の増加を少なくする働きもあるんですね。
縮毛矯正での失敗を少なくするためのDO-S式の低アルカリ高還元剤濃度の薬剤
縮毛矯正でジリジリのビビリ毛・ポーラス毛にしないための美容師コラム
まとめると、、、
縮毛矯正で薬事法MAXのpH9.5でアルカリ度の高い1剤を使用した場合、アルカリが高すぎてオキシ2剤の時に発熱して少しシスチン酸が増えて髪が傷む事があるかも知れません。
これの対処法としては『低アルカリ高還元剤濃度の1剤』で還元し、中間水洗をしっかりと行いアルカリ剤を出来るだけ除去するようにしたほうが良いです。
>参考までに、pH9以上のアルカリが残留した髪に180℃程度のストレートアイロンで縮毛矯正の施術をした場合、S-Sが破壊されてランチオニン結合になり2度と還元剤で切れない髪が生まれます。
これが癒着と合わせて、縮毛矯正した髪にパーマでウエーブやカールがつかなくなる原因です。
アイロンの話は後になりますが、これは美容師の常識ですよね(笑)
アルカリ性の強い薬剤で放置タイムが長い場合は普通にランチオニンは出来ます。一番わかりやすいのはブリーチ剤ですかね?
縮毛矯正の場合だと、基本パーマなどと比べると放置時間が長くなりますのでアルカリ性の薬剤を使用するとランチオニン結合は多くなりやすいです。ま〜180℃程度のストレートアイロンをしなくてもアルカリの強い薬剤をつけて2〜30分も置けば普通にランチオニンは出来ますね。
ただ >pH9以上のアルカリが残留した髪に180℃程度のストレートアイロンで縮毛矯正の施術をした場合 となると…
普通の乾燥した状態でアイロンをかけた場合は、乾いてる時にpHは関係ないのでさほど変わりません。
でも湿ってる時やウェットアイロンの場合は還元も急激に進行するし、ランチオニンも増える場合があるので注意したほうがいいです。
ま〜このランチオニン結合にも『低アルカリ高還元剤濃度の1剤』が効果的だったりするかもです。
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コメント
ありがとうございます。
都合の良いアシッドリンスがないこともよくわかりましたし、大きな変わりはないことがわかりました。
リタッチ矯正の場合は、1液を流すとき、シャンプーボールにお湯張って乳化して毛先まで薬剤なじませるのと、
いきなりケープからガンガン流してなるべく毛先に薬剤つけないのは、どちらがいいですか?
またどちらであっても、毛先までアイロン、2液はしますか?
また教えて頂けると幸いです。