癖毛をサラサラのストレートヘアにするストレートパーマや縮毛矯正というサロンメニューがあります。
一般の方にストレートパーマと縮毛矯正ってどう違うのですか?ってよく質問されますが、実はこれすごく難しいのです。
美容師的な視点でみると、ストレートパーマは薬剤反応のみで行いクセの伸びはイマイチな感じで、縮毛矯正や薬剤以外にも高温のアイロンやブラシブロー処理をしてクセがよく伸びるという違いはあります↓
ただし美容室のメニュー名にはちゃんとした決まり(定義)がないので、ストレートパーマとか縮毛矯正などのネーミングはその美容室さんが自由に決めることが出来るのです。
だから同じ薬剤を使い同じ工程でおこなっても、サロンAでは「ストレートパーマ」となりサロンBでは「縮毛矯正」というメニュー名になっていたりするのです。
とくに昨今は一般の方で「縮毛矯正」はダメージが激しそうで「ストレートパーマ」の方が髪に優しいようなイメージを持つ人が増えているので、サロンによってはストレートアイロンを使い実際には縮毛矯正をおこなっても「〇〇〇〇ストレート」などあえて縮毛矯正という名前を使わない場合も多くあります。
美容室のメニュー名には決まりがなくサロンごとに自由につけてるので、その名前だけでどんなものなのか?はわからないのです。
んじゃ 今日の読者さんからの質問ね
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地元のイチ読者です。いつも勉強になる記事をありがとうございます。
梅雨に入る前にストレートにしたいのですが、髪が細くて柔らかく少ない、しかも加齢毛なので縮毛矯正では髪が持ちそうにありません。
いろいろ調べていたら「髪質改善ストレート」と「酸性ストレート」が気になったのですが、違いが知りたいです。
サロンごとにいろんなメニュー名があって、何がなんだかわかりません…。
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はいはい!
>サロンごとにいろんなメニュー名があって、何がなんだかわかりません…。
だよね。。。これはストパーに限らずパーマや毛染めや髪質改善メニュー、サロントリートメントなんかも同じく、どの薬剤でどんな工程で行うのも自由だしメニュー名には規則も規定もなくてサロンごとに自由に決めることが出来るからね。
だから同じ「髪質改善ストレート」ってメニュー名でもサロンにより全く違うものだと思ってもよいのです。
ちなみに薬剤や工程など同じ美容院内でも担当する美容師さんによっても変わったりする場合もあります(汗)
現在の美容室ではメニュー名でどんなものか判断はできないと思ったほうがいいです(涙)
>梅雨に入る前にストレートにしたいのですが、髪が細くて柔らかく少ない、しかも加齢毛なので縮毛矯正では髪が持ちそうにありません。
冒頭にも書いたけど、、、最近では『縮毛矯正は髪がすごく傷む』というイメージが定着してるので実際には縮毛矯正なんだけど「ストレート」「ストレートパーマ」とネーミングしてるサロンが多いので、「髪質改善ストレート」と名前がついていても現実的には60℃以上の熱を持つストレートアイロンをかけて「髪質改善縮毛矯正」だったりしますし…
とくに「酸性〜弱残性のストレートパーマ」などは高温のアイロン処理をしなければ癖毛なんてまず伸びないので「酸性〜弱酸性の縮毛矯正」だと思います。
一般の方が「ストレートパーマ」なのか「縮毛矯正」なのかを判断するには、美容室さんに薬剤のみでおこなうのか?アイロンやブラシブロー工程をするのかどうかを聞くしかありません。
※まれに1剤をつけたまま温度が変わらないコテだけや低温の超音波アイロンを使用する場合がありますが、そちらは薬剤浸透を良くするためですので基本的にはストレートパーマに分類されます。
>いろいろ調べていたら「髪質改善ストレート」と「酸性ストレート」が気になったのですが、違いが知りたいです。
どちらもその美容院さんが勝手につけたネーミングなので正確にはどんなモノなのかはわからないですが、ごくごく一般的な美容師的目線で説明するとね…
髪質改善ストレート・・・稀にグリオキシル酸などを使う場合もありますが、グリオキシル酸ではよほどのダメージ毛でないかぎりクセ毛は伸びません。
髪質改善、酸熱トリートメント、プレックス剤等はどんな仕組みなの?
髪質改善系のストレートパーマや縮毛矯正の多くはなんらかのトリートメント成分、表面コーティング成分で手触りを良くしツヤサラでダメージを感じさせないようにしたストレートパーマ及び縮毛矯正です。
強力な表面コートやトリーメント成分で美髪ストレートになりヘアダメージしたように感じませんが、実際はこういう成分たちはストレートパーマの薬剤反応の邪魔をしてしまうだけで…
同じようなかかり上がりにしようとすると、強い薬品を使ったり放置タイムを長くしたり加温したりなど結局は薬剤反応を強くしなければいけませんのでダメージ的には普通のストレートとそう変わりません。
逆に髪質改善系のトリートメントで強い表面コーティングを行う場合は、薬剤残留や結合水の減少を起こしダメージ増加する場合すらあります。
酸性ストレート・・・普通は強いアルカリ性の還元剤というクセを伸ばす主成分をGMTやスピエラというものに変え、酸性で行いダメージを軽減するストレートなのですが実際はかかりが極端に弱く、通常の薬剤反応だけのストレートパーマ工程ではほとんどクセは伸ばすことは不可能です。
ですから一般的には、高温のアイロン工程などを加えた酸性縮毛矯正を行う場合がほとんどです。
確かにアルカリ性ではなく酸性のほうがダメージは少なくなりますが、かわりに薬剤での癖毛の伸びが悪くなるのでその分加温や放置タイムを長くしたり危険な水抜きアイロン技法などを無理して行い逆にダメージを増やしてしまう場合もあるので注意が必要です。
※ストレートパーマというメニュー名でもアイロン工程があれば実質は縮毛矯正です。
君のような場合のサロンの見極め方法としてはね、まず一番にストレートパーマ、縮毛矯正が絶対に髪を傷める!というのを認識しておくことです。
例えば「どんなダメージ毛、ブリーチ毛や髪質の方でもダメージレスでストレートヘアに出来ます!」とか「弱酸性ストレート、髪質改善ストレートならノンダメージ」「トリートメント成分でストレートに出来ます!」…
なぁ〜んてダメージレスやノンダメージっぽいイメージを宣伝してるサロンさんは信頼感に乏しくNGです。
できればメニューに『ストレートパーマ』と『縮毛矯正』の2種類がちゃんと存在するサロンさんがあれば、ちゃんと違いがわかってる感じがしていいですね。
君のようなケースではサロン別のメニュー名などにはこだわらす、まず癖毛の状態や髪質、ダメージ具合、ヘアカラーなどの有無等で本当に『ストレートパーマ』でいいのか?『縮毛矯正』じゃないとダメなのか?をちゃんと美容師さんによく相談しないといけません。
そしてその上で、どのくらいのpH(酸性〜アルカリ性)のどの還元剤でどのような工程で行うのがベストなのか?を熟練した担当の美容師さんに判断してもらうのがベストだと思います。
同じ薬剤、同じ工程でも担当美容師さんによって結果は随分変わりますからね。
コメント
ぢーぢ、お忙しい中ご丁寧な返信ありがとうございました!!
「そちらのストレートはどんな薬剤を使うどんな工程ですか」と聞いてめんどくさいと思われたくないけど髪は守りたい!!なかなかジレンマです
いろんなサロンが、ぢーぢみたいな情報を発信するようになってくれたらいいのになと思いました。
(ぢーぢはもうサロンには立たれないのですか?もしくはサロンをプロデュースするとか……)