カラー剤がブクブクと泡立っていた・・・その2

どS美容師に質問

お店でお客様のカラーをしていた時のことなのですが、
放置時間が終わってチェックしに行くと様子がおかしい

 

よく見るとカラー剤が

ブクブクと泡立っていたのです!

 

泡カラーではなく美容室で使う普通のタイプのものです

 

拭き取ってみると思っていた色は入らず、

色が入るどころかトーンアップしていました

 

 

え・・・

なんで???

 

美容師が現場で仕事してると

ありえない現象に見舞われる事もあるんだ・・・

 

 

前回の読者の美容師さんからの質問

カラー剤がブクブクと泡立っていた・・・その1

 

こいつの続きをいくね。。。

前回は アルカリが原因ではないか?

 

なんらかのアルカリで

オキシが異常分解を始めて

脱色をしたり 泡立ったりしてる状態

 

そこまで説明したんだよね。。。

 

ただ こいつだけが原因で
果たして 泡立つまでいくのか?

こりゃ 現実的には
なかなか考えられないんだよね。。

 

 

んで もう一つの要素として重要なのが

 

②なぜか1剤の反応が少なかった

 

ってことなんだが・・・

 

 

こいつを説明するには
ヘアカラーの仕組みから考えねばならん

まずは この記事を熟読ね

ヘアカラーの仕組みと ヘアダメージの原因

 

 

ヘアカラー剤ってのは
大きく2つの成分で出来ている

ブリーチ剤 と 色素

そいつが髪の中で

自前のメラニンという色素を
ブリーチ剤が破壊して

新しく ヘアカラー剤の
色素を入れ込んでる

 

これは 一般の人用に描いてる記事なんで
難しい理論のお話は 避けているんだが

今回は 理美容師さん向けで書くと・・・

 

そう この

ブリーチでメラニン色素を破壊するのも

ヘアカラーの色素を発色させるのも

 

過酸化水素(オキシ)が発生させる

酸素 が重要な働きをしてるっていうことね!

 

 

前回の記事で オキシの分解を書いたよね

DSC_8079

 

この図では 泡って書いてるが

通常の状態では

 

このオキシの分解で出来上がった酸素が

 

◎メラニン色素を 脱色する

◎酸化染料と反応して 発色する

 

この作用を行なっているんだ!

 

 

そう

脱色(ブリーチ)するのも 酸素

カラー剤の色素を発色させるのも 酸素

なんだよね。。。

 

 

んで 今回のケースで考えられるのが

 

なんらかの作用 で

ヘアカラー剤の1剤が変質を起こし

色素が 酸素で発色しないような状態になった。

 

 

 

通常は このように

アルカリで分解されたオキシの酸素が
ヘアカラーの色素に

DSC_8082

反応を起こし 発色させる

DSC_8084

 

 

ただ なんらかの原因で

色素と酸素が反応しなくなってるとこのままままだ

DSC_8087

 

 

 

これを髪の毛全体で見ると

きちんと 色素は酸素で発色されたなら

酸化染料も酸素も使われて ちゃんと発色する

DSC_8092

 

 

ただ 正常に酸化染料と酸素が反応できないなら・・・

色素を酸化できなかった 酸素は

当然 酸素の使いどころがなくなるので

外に 酸素が放出され 泡立ち になる

DSC_8089

 

 

 

これは わかりやすい例でいうと 容器で
混合したまま放置した ヘアカラー剤の泡立ちだね。

 

ブリーチ剤などは 酸化染料が入っていないので
容器に入れた オキシがアルカリに反応して
酸素を放出するので 比較的短時間で泡立ってくるよね!?

DSC_8095

 

髪に塗布していないので 脱色に酸素も使われないし
酸化染料も配合されてないので アルカリとオキシで
作られた酸素が 反応で使われる事が無いので
大量の酸素が そのままブクブク泡立つんだ!

 

 

ただ 酸化染料が多く含まれる白髪染めの薬剤なんかなら
容器で放置していても なかなか泡はたたない。

DSC_8096

これは ヘアカラーに含まれてる酸化染料に
オキシの発生した酸素が反応しているからなんだ。

そう オキシの発生した酸素が
酸化染料との反応で使われているから

この酸化染料との反応が全て終了し
それでも 余った 酸素だけが
泡立ちとして 現れるので

酸化染料が多い(暗い)薬剤ほど
泡立つまで 時間がかかるんだ。

 

これは 髪の中でも同じような事が起こってる!

オキシを分解して出来た 酸素で
使われないもの が泡として現れるんだね。

 

 

 

だから 今回のケースでは

前回の記事で書いた アルカリが原因の
異常な 酸素発生 と

なんらかの原因でヘアカラーの酸化染料が
上手く オキシで発生した酸素と
反応をしていなくて 余った酸素が発生した

 

しかも もしかしたら この二つが
同時に起こったんじゃないのか?

 

こう考えられる訳なんよ♩

 

 

ただし この

なんらかの原因は わからない!

 

 

もしかして ヘアカラー剤自体や
1剤と2剤のバランスに問題があったのかもしれんし

最近はどうも誤解の多いアルキルだの疎水化だのとかで
成分同士のコンプレックス反応とか起こして
色素の酸化発色の妨害の危険性も無いとは言えないし

あと 以前聞いた例では 別府だったかな・・・
普段のお風呂から ずっと温泉水を使用してるお客さんは
パーマや ヘアカラーの反応が全く違うって!

これは 温泉水のpHやミネラル成分とか
金属成分なんかの影響も考えられるんだよね〜

あと ここ数年では ホームケア商品なんかでも
昔 ぢ〜ぢと裁判沙汰になったとこみたいに
怪しげなミネラル水だとか 髪の毛にアルカリ水とかを
常用してるパターンもあるしね。

 

今まで解説した原因以外にも・・・

 

1剤と2剤を混ぜて時間を置いたとか

メーカー指定の混合比を間違えて
アルカリが強い割りに オキシ濃度も高かったとか?

薬剤がしっかりと混ざっていなくて
1剤のアルカリ成分が溜まってたトコがあるとか

単純に オキシの濃度が濃すぎた とか???

1剤の消費期限が過ぎていた???

 

ま〜 色々と考えられる・・・

 

考えていけば キリがないくらいだ(汗)

 

 

しかも 一つの原因でここまでの

異常な状態は考えにくいので

いくつかの原因が 重なったと思われる。

 

 

今回のケースなどでは もしかしたら

完全に原因を突き止めるのは不可能かもしれん・・・

 

 

ま〜今後の対応策としては

 

ヘアカラーの前 アルカリ残留を
しているような原因を取り除く

お客さんがホームケアで
使用してる商品や生活環境なども検討する

 

 

 

そして 施術の時には

 

余分な反応を起こす処理剤などはしない

オキシ濃度を下げる

アルカリの弱い1剤にする

 

って感じでやってみると違うかもね。

コメント

  1. アギト より:

    ドエスさまこんにちは
    回答ありがとうございました☆

    ディーラーさんに相談したところカタラーゼでは…?
    と聞いていたのですが違うようですね( ´・ω・` )

    ディーラーさんもいろいろ調べてくださり、ブクブクするのが当たり前のお店もあるようで
    ハイダメージでアイロンを多用する方に多いそうです
    そのお店ではオキシ濃度を下げて対応するみたいです

    今回のお客様は20代後半、やや細毛、長さは鎖骨下、アイロンは週3-4回、パーマ履歴無し、カラーは2ヶ月に1回、ブリーチ履歴無し、ホームケアはミルボンプラーミア、アウトバスはケラスターゼオイル、カラー放置は自然放置20分、前処理無し、カラー剤は仕入れて間もないものでした

    今後はアルカリの低い薬剤とオキシ濃度を下げて対応したいと思います

    参考にFacebookメッセンジャーでブクブクした画像を送らせていただきます

    お忙しい中、回答ありがとうございました☆

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