硬くて太くで健康毛で癖がとても強い方がボリュームダウンしてツルツルでしっかりとストレートに縮毛矯正・ストレートパーマをしたい!?
理美容師さん向けにはハードタイプの縮毛矯正剤にはジチオジグリコール酸が入ってるものと入っていないものがあるのですが、どちらがよく癖が伸びるの?どちらがダメージが少ないの?
少し前からこのような質問をいただきました↓
【縮毛矯正】以前のようにボリュームダウン、ツルツルにさせることはできるでしょうか?
こちらの方から3回目のご質問を頂きました↓
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先日はご回答ありがとうございました!
何度も読んで理解を深めました。回答して頂いた内容について、ジチオありと、なしの場合の髪の変化について理解できました。リスクやダメージも。
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そして、根元10センチのリタッチ矯正に行って来ました。報告させてください。根元10以外はノータッチ(今回は基礎技術がある真面目な美容師さん)
前回回答頂いたことを踏まえ、ジチオリスクは承知で、前の記事で質問させていただいた某メーカーのPh9.2ジチオなしの薬剤で施術しました。(Ph9.5ジチオなしの薬剤は扱っていないお店のため)
髪の太い順に後頭部→頭頂部→その他→細い顔周りもみあげ で塗布して頂き、
全体多めに塗布して、薬剤を手で押し込み、軟化チェックしてもらいつつ、塗り足しながら美容師さんが髪の芯まで軟化できたと判断して1液流したのが、塗り終わってから丁度40分後でした。毛先までアイロン、2液してもらい。。
結果としては、
★全頭でビビり毛は無し。後頭部の一番髪の太い癖の強い箇所も伸びていました。薄めに薬剤塗布したもみあげも綺麗です。
ただ、意外なことに後頭部ではなく、鉢から頭頂部の表面、前髪にかけて少し癖が残りました。(パッと見は伸びてはいますが、綺麗にかかってた時よりは髪がまだ太く芯があり、ガタガタした癖と、ウネリの癖。若干表面キシっとした手触りです。
でも、全盛期の9.5ジチオなしでかけてもらってた時に近づいています。ここ10年全然どこの美容室でもダメでしたから。。
本当に1液塗り終わってから40分置くことになりました。。美容師さんは、「髪が強く薬剤を弾きやすいように見えました。」と仰っておりました。他のお客様で30分以上置くこと自体ほとんどないとも。
あともう一歩!かと思うので、鉢より上、表面の髪も綺麗に最低限のダメージで伸ばせるか、考えたくて、ドS美容師様の見解もほしくて、またまた質問させてください。
今回の矯正部はかけなおさず、また新生部が伸びた時により、綺麗に伸ばす方法を模索しています。
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前回、ダブル還元(1液15分置いて、流してまた15分塗る)がいいよと教えていただき、ジチオを流し、その方法が最適だとは理解しております。橋にも棒にもかからないくらい癖伸びなければお願いするつもりでしたが
惜しいところまでは伸びたのと、
リタッチなので、途中のシャンプーで1液がリタッチ箇所以外に流れて付いてしまい濡れてる間は軟化還元始まっちゃうと以前のブログで見たので、既矯正部分に影響ないその他方法でいくつか質問させてください。
以下に質問記載していきます。。
①【放置時間を伸ばす方法】
全部塗り終わってから、40分だったから、延長で45分おけばいいのか?とも思うのですが、Ph9.2ジチオのメーカーに聞いたところ、
「ジチオという安全放置のようなものが入ってる商品なので、30分以上経つと痛むだけであまり癖が変わらないかも。」と言われました。
それで表面ばかりが強く還元され、今回少しキシっとしたのでしょうか??置き時間をこれ以上長くする方法で上手くのびるでしょうか?ドS美容師さんの説明で考えると、置き時間伸ばしても髪の芯が軟化する頃には、ジチオが増えすぎてチオが働かず、メーカーの言う通り、髪の芯の方はS-S結合が切断できず痛むだけでしょうか?
②【塗り足しを増やす方法】
施術中に薬剤を塗り足して頂きました。先に塗った薬剤の上からでした。
これは先に塗って反応の終わった薬剤(主にジチオ)が邪魔になってしまいますか?
薬剤を拭き取って塗り足すのは軟化還元の促進になりますでしょうか?
③【1液塗布後少し加温する方法】
以前提案頂いた加温について、1液塗布後にローラーボールで加温することは可能な美容室のようです。加温してさっさと髪の芯まで軟化させたほうがチオが働いて癖のびるでしょうか?さっさと軟化しても増えるジチオ量は変わらないから芯まで軟化させてもチオ働かないということはありますか?
また加温が有効な場合、1液塗布直後何分くらい加温するのが良いですか?
★加温タイミング、★温度、★時間など教えていただけますでしょうか?
※加温はし続けると、加温ムラができるし、適性な軟化が通り過ぎてしまうリスクがあるということで、1液を走らせる初動として最初の数分だけ加温するのが良いという話も聞いたことがあります。
ちなみに、私は10年以上前、上手く綺麗にツルツルしなやかになっていた時代に、時々ローラーボールを使われていたことがありました。使っても使わなくても何も不具合を感じたことはありませんでした。毎回ツルツルしなやかストレート。。しかし正しい情報が知りたく…
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質問は以上です。施術のレポートも含め、かなり長文になってしまいました。読んでいただけていたら嬉しいです。そして、回答いただけたら嬉しいです。前回すごく丁寧に説明してくださってありがとうございました。
よろしくお願い申し上げます。
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お〜良かったねぁ〜
少しは理想に近いたみたいだね!
まずは質問から答えていくね…
>①【放置時間を伸ばす方法】
全部塗り終わってから、40分だったから、延長で45分おけばいいのか?とも思うのですが、Ph9.2ジチオのメーカーに聞いたところ、
「ジチオという安全放置のようなものが入ってる商品なので、30分以上経つと痛むだけであまり癖が変わらないかも。」と言われました。
それで表面ばかりが強く還元され、今回少しキシっとしたのでしょうか??置き時間をこれ以上長くする方法で上手くのびるでしょうか?ドS美容師さんの説明で考えると、置き時間伸ばしても髪の芯が軟化する頃には、ジチオが増えすぎてチオが働かず、メーカーの言う通り、髪の芯の方はS-S結合が切断できず痛むだけでしょうか?
???今回は Ph9.2ジチオなしの薬剤で施術したんじゃないのかな???
前回話したようにジチオありの場合はミックスジスルフィドが増えすぎるヘアダメージが心配だけど…
現代のジチオなしの1剤でpH9.2〜9.5とかを塗布して長時間放置するとジチオが増えて還元力が弱まるってよりは、
逆に アルカリ暴走 での過還元やヘアダメージ増加やビビリ毛とかの心配をしなくてはいけないかもしれないね。(髪質によりますが、一般的にはこっちのほうが確率は高いです)
詳しくは↓
ビビり毛等ダメージ毛激増中!失敗しやすいストレートパーマ・縮毛矯正
>②【塗り足しを増やす方法】
施術中に薬剤を塗り足して頂きました。先に塗った薬剤の上からでした。
これは先に塗って反応の終わった薬剤(主にジチオ)が邪魔になってしまいますか?
薬剤を拭き取って塗り足すのは軟化還元の促進になりますでしょうか?
縮毛矯正1剤の反応式(2)は
↓
KSSR(ミックス)+ RSH(チオ) ⇄ RSSR(ジチオ)+ KSH(切れたシスチン)
上の反応式の矢印 ⇄ は可逆反応でどちらも反応が進行するんだ。髪の中でミックスジスルフィドがチオと反応してジチオと切れたシスチンになったり、ジチオが切れたシスチンと反応してミックスジスルフィドとチオになったりとどちらの反応も起こってるんだよね。
だからジチオはミックスになったりジチオになったりを繰り返すので、現実的にどのくらいの時間を放置したからチオの反応の邪魔をするのかはわからないんだよね(だからジチオ入りが美容師が計算しにくい)
あとジチオは拭き取ったぐらいでは全く取れない(減らない)ので還元の促進にはあまり関係ないけど、あまり多くの量になると毛先とかに垂れたりしやすいのでその意味では拭き取ったほうが良いとは思うよ。
③【1液塗布後少し加温する方法】
以前提案頂いた加温について、1液塗布後にローラーボールで加温することは可能な美容室のようです。加温してさっさと髪の芯まで軟化させたほうがチオが働いて癖のびるでしょうか?さっさと軟化しても増えるジチオ量は変わらないから芯まで軟化させてもチオ働かないということはありますか?
また加温が有効な場合、1液塗布直後何分くらい加温するのが良いですか?
★加温タイミング、★温度、★時間など教えていただけますでしょうか?
※加温はし続けると、加温ムラができるし、適性な軟化が通り過ぎてしまうリスクがあるということで、1液を走らせる初動として最初の数分だけ加温するのが良いという話も聞いたことがあります。
一応DO-Sという美容メーカーの人間なので… 君の使用してる薬剤はチオ濃度が5%以上だったハズなので、室温施術限定のチオ系コールド二浴式用縮毛矯正剤(アイロン使用可)なのでローラーボールで加温するのは薬事法違反にあたるのでこの場での解説は控えさせてもらいます(ゴメンね)
>ただ、意外なことに後頭部ではなく、鉢から頭頂部の表面、前髪にかけて少し癖が残りました。(パッと見は伸びてはいますが、綺麗にかかってた時よりは髪がまだ太く芯があり、ガタガタした癖と、ウネリの癖。若干表面キシっとした手触りです。
多分ね、その美容師さんの薬剤塗布の癖か温度の関係だと思うよ。
この記事を読んで欲しいんだけど↓
頭頂部や表面付近の薬剤塗布は美容師さんがしっかりと髪を持ち上げて塗らないと下の髪の頭皮部分に薬剤がついてしまう可能性が高いんだね。
だから美容師さんによっては自然に頭頂部の塗布量を減らしてしまう人もいます。そんで下のほうより還元が弱くなってしまいがちなんだね。
あとそのヘアサロンの室温などの影響で、下の部分は上の髪が乗っかるので体温が伝わりやすく多少温度が高くなり、頭頂部は室温やエアコン等の関係で温度が低くかったりします。
これの対応法としては、頭頂部のあたりの室温をなにかで上げる(詳しくは書けません)とか頭頂部や表面の髪はしっかりと持ち上げて塗布するか、ペーパーなどで挟んで下の髪に薬剤がつかないようにするとか↓
あと、上級者編としてならアイロン後に頭頂部や他の部分でもいいけど還元が足りてない部分のみ、もう一度湿らせて水分が残ってる状態でもう一度アイロンプレスをしてより還元を進行させる。
※これはもう一度水分が入ることで還元が進行するのでその時にアイロンをするとすごく還元するって事です。
>あともう一歩!かと思うので、鉢より上、表面の髪も綺麗に最低限のダメージで伸ばせるか、考えたくて、ドS美容師様の見解もほしくて…
個人的な見解かぁ〜?もしドS美容師としてではなく場末のぢ〜ぢが個人的に施術するなら、安全性を第一で考えて… 状態によりブロム酸入りプレシャンや酸性チオで前処理して、pH8.5〜9.0程度でチオ濃度が10〜17%ぐらいでジチオなしの低アルカリ高還元剤濃度の薬剤で、塗布量に気を使いながらビビリ毛にならない程度で還元はかなり強めにおこない、アイロン時の水分量やプレス圧・テンションなどを加減して昔よくしたボリュームダウンしたパッツン系ストレートにしていくかな〜?
※あくまで美容師として営業ではない場合の個人的な施術での薬剤選定です。
ただこれはあくまで現役美容師じゃないぢ〜ぢの個人的な見解だし、一般美容師さんはこんな薬剤は作れないと思うしね(汗)
ま〜今回のお話を聞く限り、君の理想にあと一歩!なんだよね?
だったら次回も同じ美容師さんに「前回は頭頂部(上半分?)の癖の伸びが悪かったので今回はそこをもう少ししっかり伸ばしてください」って感じでお願いしたら良いんじゃないのかな?
そしたらその美容師さんが薬剤での還元(軟化ではありません)やブログでは詳しく書けないけど頭頂部の温度管理とかアイロン技法(水分量、2度かけ、プレス圧、テンション等)などで調整してくれると思うよ。
ただね、その時にあまり薬剤関係へのリクエストはしないほうが良いかも知れないよ。
この前からのお話で君は癖の伸びには薬剤の強さ(スペック)が一番関係してると思ってるような感じじゃないのかな?でもあまり薬剤での還元ばかりを重視すると、現在の強めのアルカリの薬剤だとビビリ毛やハイダメージ毛になっちゃうリスクもあるからね。
前回の記事でも書いてるけど… 現代の縮毛矯正での癖の伸び方は薬剤スペックだけではなくトータルバランスで決まりますからね。
次回はコラムのほうで理美容師さん向けにここらの縮毛矯正でのバランスの記事を書かせてもらう予定です(予告)
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