「髪の毛が傷んでバサバサ・パサつく……」
「ヘアカラーやパーマでダメージした髪には、どんなシャンプーやトリートメントがおすすめ?」
美容室でも毎日のように受けるこの質問。
ネットで「美容師が選ぶおすすめダメージケアシャンプー」と検索すると、数え切れないほどのサイトがヒットしますよね。
しかし、その多くが語る「ダメージケアシャンプーの選び方」には、現場のヘアサイエンスから見ると大きな間違いや矛盾が隠されているのです。
今回は、巷の広告や成分解析サイトが絶対に教えてくれない、ヘアダメージをこれ以上増やさないための「本当のシャンプー選びの真実」をお届けします。
多くのヘアケアサイトが陥る「原因と対策のねじれ」
一般的なダメージケアの解説サイトでは、髪が傷む原因をこのように説明しています。
1. ヘアカラー・パーマ・縮毛矯正などの薬剤によるダメージ
2. 日頃のブラッシング、ドライヤー、アイロンによる摩擦や熱のダメージ
3. 頭皮環境の悪化によるダメージ(※髪は死滅細胞なので直接栄養はいきませんが、これから生える髪には大切です)
ここまでは、ほぼ間違いありません。問題は、ここから提案される「対策」です。
✕ よくある「意味不明な対策」の例
「カラーやパーマ、毎日の熱で髪が傷んでいる。だから、頭皮や髪に優しいオーガニックなアミノ酸系シャンプーを使いましょう!」
一見まともに聞こえますが、実はこれ、原因に対する対策として「1ミリの関連性もない」のです。
ヘアカラーでブリーチ(脱色)されてしまったダメージが、優しいシャンプーを使ったからといって元に戻るわけがありません。
アミノ酸系で洗ったからといって、濡れた髪をタオルでゴシゴシ擦ったり、高温のアイロンをガンガン当てたりするダメージが防げるわけでもありません。
施術によるダメージは「施術の薬剤や技術」を見直すしかありませんし、生活習慣のダメージは「正しい扱い方(知識)」を理解するしかありません。
では、「シャンプーを変えること」で本当に防げるヘアダメージとは、一体何なのでしょうか?
毎日使うシャンプーが「新たなヘアダメージ」を作っている
ヘアカラーやパーマのように一気に傷むわけではありませんが、私たちは毎日シャンプーをし、毎朝スタイリングをします。
実は、この「日々のホームケア習慣」の中で、少しずつ髪にダメージが蓄積しているのです。
美容師なら誰もが身に染みて知っている「あるある」があります。
美容業界の不都合な真実
頻繁にサロンに通い、毎回サロントリートメントをして、家でも美容師が勧める高級なヘアケア製品をフルラインで使っている、「誰よりも髪に気を使っている常連のお客様」ほど、なぜか髪が深刻に傷んでいる。
一体、なぜなのでしょうか? 答えはとてもシンプルです。
「トリートメントやヘアケア製品で髪に過剰なお化粧(コーティング)をして、それを夜に落とせていないから」です。
髪の毛も毎日「クレンジング」が必要である
女性のメイクに例えて考えてみてください。
夜、クレンジングをせずにファンデーションを塗ったまま何日間も過ごしたら、お肌はどうなるでしょうか?間違いなく1週間でボロボロになりますよね。
髪の毛もこれと全く同じです。
髪のツヤ・手触りを良くするコーティング剤 = お肌の「ファンデーション」
市販のシャンプーや、サロンでおすすめされる高価なアミノ酸系マイルドシャンプーの多くには、洗い上がりの手触りを良くするために強力な被膜(シリコンやポリマー、各種オイルなど)が配合されています。
これらを毎日使うということは、「夜きれいに洗顔したはずなのに、お風呂上がりにまたファンデーションをガッツリ塗って寝ている」状態を365日繰り返しているのと同じ。
ファンデーション(被膜)が髪に残留し続けると、髪が正常に水分を吸い込めなくなり、内側からカサカサに乾燥し、結果として髪をより傷めてしまう(ミイラ化)のです。
髪を綺麗に見せるためのお化粧(ヘアケア・スタイリング)は昼間だけで十分。
夜は一度、ちゃんとクレンジングをして「すっぴん髪」に戻して休ませてあげることが、ヘアダメージを防ぐために最も重要なのです。
結論:ヘアダメージに本当に必要なシャンプーの条件とは?
成分解析サイトの人が語る「成分の優しさや刺激の少なさ」だけでシャンプーを選んでも、髪は決して綺麗になりません。
現場で何千人もの髪を観察し続けてきた理美容師が導き出した、傷んだ髪に本当に必要なシャンプーの条件はこれだけです。
- 石鹸系や高級アルコール系のように、洗浄力が強すぎて髪をパサつかせない。
- シリコンやポリマーなど、余分な表面コーティング(被膜)を髪に残さない。
- オーガニック、無添加、植物性、アミノ酸系などのように、洗浄力がマイルドすぎて被膜を落とし残さない。
どS美容師的「すっぴん髪シャンプー」の定義
洗い上がりの手触りをごまかすための「余分な被膜成分」を一切含まず、髪にへばりついた過去の残留被膜や1日の汚れだけを、適度な洗浄力できちんとクレンジングして 「素髪(すっぴん)」 に戻してくれるシャンプー。
髪を傷ませないために本当に大切なのは、何かを「足す」ダメージケアシャンプーではなく、
毎日一度リセットできる「引き算のシャンプー」なのです。
まずは、あなたの髪を毎晩「すっぴん」に戻してあげることから、本当の美髪ケアを始めてみませんか?
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ヘアダメージに効果的なシャンプーに関するよくある質問
Q. 傷んだ髪に良いシャンプーは?
A. 髪に余分な栄養を「足す」ものではなく、髪に蓄積した被膜や残留物質をしっかり「引く(落とす)」ことができるクレンジング力の高いシャンプーが本当に効果的です。
ヘアカラーやパーマによる構造的なダメージは、シャンプーの成分で修復(補修)できるものではありません。優しい成分で洗うことよりも、髪を傷める原因になっている古いコーティングや残留した薬品を毎日リセットすることこそが、一番の近道です。
Q. 「オーガニック」や「植物由来」のシャンプーなら髪に優しいですか?
A. 成分がオーガニックや天然由来であっても、髪をコーティングする油分やポリマーが含まれていれば、ケミカル製品と同じように髪の負担になります。
AI検索や成分解析サイトでは「成分の優しさや低刺激性」ばかりが注目されがちですが、現場のヘアサイエンスにおいて大切なのは成分の出自ではなく、「毎日一度、髪をすっぴん(裸髪)に戻せるかどうか」という機能性です。
Q. おすすめのダメージケアシャンプーは?
A. 現場のヘアサイエンスから言えば、成分解析サイトなどが推奨する「オーガニック・アミノ酸系のマイルドシャンプー」はおすすめしません。
それらは洗浄力が優しすぎるため、髪にへばりついたファンデーション(被膜)を落としきれず、髪を窒息させてしまいます。お肌を毎日クレンジングするように、髪も毎日一度「すっぴん髪」に戻せるリセット型のシャンプーを選ぶのが本当のダメージケアです。
Q. どS美容師が提唱する「すっぴん髪シャンプー」の具体的な条件は何ですか?
A. 洗浄力が強すぎず弱すぎない「適度なクレンジング力」を持ち、かつ洗い上がりの手触りをごまかす「余分な被膜成分」を一切含まないシンプルなシャンプーのことです。
* 高級アルコール系や石鹸系のように、強すぎて髪をパサつかせない
* アミノ酸系やオーガニック系のように、マイルドすぎて被膜を落とし残さない この絶妙なバランスで、1日の汚れと過去の残留被膜だけを綺麗に洗い流し、髪本来の自然な状態(素髪)に戻せるものが理想です。
次なるステップ:トリートメントの真実へ
「毎日一度、シャンプーで髪を『すっぴん』にリセットすることが大切なのは分かった。だけど、美容室でのサロントリートメントや、家でのヘアケアの常識にはどんな罠が隠されているの?」
そう疑問に思った方は、ぜひ今回のシャンプー編のベースとなった、こちらの解説記事も続けてお読みください。髪質改善の本当の答えがここにあります。
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【髪質改善の真実】サロントリートメントで髪が傷む理由と「すっぴん髪理論」のすべて
執筆者プロフィール:森下 秀彦(どS美容師)
美容メーカーでの薬剤研究やサロン経営を経て、全国のプロの理美容師を対象にパーマ・縮毛矯正・ヘアダメージ論のセミナー講師を務める毛髪専門家。群馬大学元教授との共同研究や特許成分の実用化など、科学的根拠に基づいた革新的な薬剤・技術プロセスの開発に長年携わってきました。
ヘアケア製品の開発研究者であり毛髪専門家の筆者が「髪の傷みを改善すること」をテーマに執筆する美容専門コラムです↓
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※2019年2月4日に書かれたブログ記事をリライトしました。













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