一般的なパーマやストレートパーマ、縮毛矯正の1剤には薬機法で上限が決められています。
pHは9.5まで、アルカリ度は7mlまで、還元剤濃度はチオ換算で7%までで
ただしものによっては11%まで許可されてるけど、その場合は7%を超えた量と同じだけジチオジグリコール酸(ジチオ)をいれなければいけません。
これは、チオ濃度11%の場合は4%ジチオを入れなさいということね。
前回の記事↓
【縮毛矯正】以前のようにボリュームダウン、ツルツルにさせることはできるでしょうか?
この方から追加で質問をいただきました
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早速回答してくださりありがとうございます!!
ナ◯ラ社に直接電話で聞きました。ジチオが入っていないことは確かなのですが、他社のスペック表を見ながら、還元値を教えてくださいときいたら
「ほにゃらら6.8(?)なのでー、9.1パーセントですほにゃらら」と言っていました。
薬事法があるとのことなので、6.8がチオのパーセンテージっぽいですよね。
失礼しました。9.1は何でしょう、、、?
結論、ジチオ入りのPH9.2と、PH9.5のジチオなしであれば、
PH9.5のジチオなしの方がかかるでしょうか?
また、傷まないでしょうか?
最後に綺麗伸びたのは2013年が最後でした。薬事法改訂後ですね。
回答頂いた通り、髪質見ていただいたて、完全に癖を伸ばして欲しいと伝えても、全然ダメで、縮毛矯正に力を入れてるSNSで有名なところでもずっとどこ行ってもダメで、薬の問題かなぁと思った次第です。
実はこちらのブログ以前から拝見しており、関東圏でドS矯正の一番強い薬で施術していただいたことがあるのですが、(2年間で5回はいきました)
硬さがあるピンピンしたり、ジリっとして変な仕上がりだったのですが、軟化還元が足りてなかったっぽいですよね?
本日はじめてスペックをみましたが、添加物が無い分、ナ◯ラより強そうですよね。美容師の腕の問題ですよね?
すっぴん髪でも全然問題ないです。ドSシャントリ使ってましたが、好きでした。
取り敢えずこの剛毛が最近主流の9.2ジチオあり(前途した他社の)で完全にくせが取れるのかという質問でした。塗布量や2回塗り直すと痛みますよね、、ナ◯ラの薬剤で施術してたときは2013年頃で現在も内容変更ないそうなので、それを使ってるほうが1回できれいになれることはわかっているので、そのほうが傷まないですかね??
何度もすみません。9.1パーセントの誤記をしてしまい、申し訳ありません。
何度もすみません。
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追加のコメント
ナ◯ラさんに電話しました!やはり、チオ濃度は6.8パーセントでした!大変失礼しました。
ちなみに、どんな縮毛矯正剤でも、1剤の後は、水道水で流すのがいいですか?
炭酸泉だとキューティクルが閉まって悪いものが出て行かないとかありますか?
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はいはい!
>ナ◯ラさんに電話しました!やはり、チオ濃度は6.8パーセントでした!大変失礼しました。
だよね〜(笑)
ジチオなしなら上限7%までと法律に決められてるので、ジチオなしでチオ濃度9.1%なんて絶対にありえないからね。
>取り敢えずこの剛毛が最近主流の9.2ジチオあり(前途した他社の)で完全にくせが取れるのかという質問でした。塗布量や2回塗り直すと痛みますよね、ナ◯ラの薬剤で施術してたときは2013年頃で現在も内容変更ないそうなので、それを使ってるほうが1回できれいになれることはわかっているので、そのほうが傷まないですかね??
まず、、、いくら君がかなりの剛毛でも、ジチオありでもジチオ無しでも40分間も放置すれば十分に薬剤での還元はできてるので、アイロン工程をちゃんとすれば どちらの薬でも完全にクセは取れると思います!
あとこれもアイロン工程がキチンと出来たならですが、理論的には髪の傷みはジチオなしのほうが少ないハズです。
んで最初に >塗布量や2回塗り直すと痛みますよね のお話をするとね…
基本的に塗布量が多いほうが還元力(同量の髪のS-S結合を切断する事)は強くなるんだけど。
強い薬剤を少ない塗布量で100個のS-S結合を切断するのも、弱い薬剤を多くの塗布量で100個のS-S結合を切断するのならヘアダメージは全く同じなんだよね。
だから髪質に対して少し弱めの薬剤の場合は塗布量を増やしても結局ダメージは変わらないんだね。
あとね、たとえば条件(同じ髪、同じ薬剤、同じ薬剤の塗布量、同じ還元力で還元する)と仮定するとね。
①1回の塗布で40分間放置する
②1回目は15分間放置し、中間水洗し2回目も15分間放置する
これだと君のように多くて太くてすごく還元しにくい髪質の場合は②のほうがヘアダメージも少ないし、より癖もよく伸びると思うよ。
※これはあくまでとても還元しにくい髪質の場合です、髪質やダメージ具合によってはどちらも還元しすぎ(過還元)、S-S結合の切断しすぎで逆にダメージが増える場合もあります。
縮毛矯正1剤はジチオ入りとジチオなしのどちらが良いの?
縮毛矯正の1液はチオ(チオグリコール酸)濃度が11%まで許可されてるけど、7%を超える場合は7%を超えた量と同じだけジチオ(ジチオジグリコール酸)をいれなければいけません。
例えばチオ濃度が9%なら2%、11%なら4%はジチオを入れるという事です。
現在はハードやスーパーハードなどのパワーの強い薬剤は、このジチオ入りが増えているんですね。
では実際のとこ、ジチオ入りの方が良いのか?ジチオなしのほうが良いのか?理美容師さんたちもホントのとこが知りたい人が多いのでちょいと詳しく専門的に解説したいと思います。ちょいと一般の人には難しいのでここはとばして読んでもOKです(笑)
そもそもジチオ入りは強く還元するために作られているので、最近の薬剤はだいたいこの2種類ぐらいの製品が多いです↓
①ジチオなしでチオ濃度7%程度の薬剤
②現在主流の例えば、チオ濃度11%、ジチオ濃度4%の薬剤
まずみんなの疑問の答えからいうと、ジチオ入りの縮毛矯正1剤は、一般的な髪質に使用するならジチオなしよりはかなり強く(多く)S-S結合を還元してくれます。ただし確実にヘアダメージは多くなってしまいます。んじゃそれは何故?ってことで解説していきますね。
最近は②のジチオ入りの薬剤が増えているのか?からお話するんだけど…それにはまずは縮毛矯正の仕組みから説明しないといけません。
毛髪のケラチンはS-S結合(シスチン結合・ジスルフィド結合)という側鎖でくっついています↓
縮毛矯正の1剤の主成分チオ(チオグリコール酸)でこの髪の毛のS-S結合を切断します↓
1液の還元反応でS-S結合を切断といっても実際はこんなに複雑な事になっています。ちなみに H は水素です。
チオで還元すると ジチオ が髪の内部で出来上がり、同時に片方の S(シスチン)に ミックス がついたものと 水素 がついたものが出来ます。
そしてしっかり中間水洗するとジチオだけが流れ出ます↓
※ちなみに中間水洗してもチオやアルカリは残留してますので、またすぐに還元が始まりまたジチオは出来てきますけどね。ただ髪のケラチンには結合してないので気にしなくてもいいです。
パーマの場合はこのまま2液で酸化されますが、縮毛矯正の場合は高温アイロンでミックスがとれると言われています↓
※アイロン工程の温度や水分量などのやり方によってはミックスがあまり取れない場合もあります。
そして2液で水素分子がついているシスチン同士のみがS-S再結合が行われます↓
※実際はシスチンは一本の髪の毛でも何万個もあるので図にある水素がついてるものは他の切れてるケラチンともっと結合するハズです。
ミックスがついていたシスチンは再結合ができすに切れっぱなしのシスチンとなってしまいます。
この切れっぱなしのシスチンのせいでタンパク質が流出し、ダメージホールが出来たりして髪が傷んでしまうのです。
パーマと比較すると縮毛矯正はとても多くのS-S結合を切断するので、当然切れっぱなしのシスチンもとても多く出来てしまうのでヘアダメージが大きくなります。
※縮毛矯正毛にパーマがかかりにくいのもこの切れっぱなしのシスチンが原因です。縮毛矯正後は切れっぱなしのSだらけでS-S結合がとても少なくなってしまうため、その後にパーマなどをかけてもS-S結合が少なすぎてダレダレになりカールが作られないような感じになります。
ただし、この切れっぱなしのシスチンはパーマならカールがダレてしまいますが、ストレートの場合はより癖が伸びた感じがしますし、コシが無くなり柔らかく感じたりする場合もあります。
これが縮毛矯正での薬剤反応の仕組みとダメージの原因なんですね。
そして、②現在主流の例えば、チオ濃度11%、ジチオ濃度4%の薬剤 のようなジチオ入りの薬剤を使用した場合は↓
1液を塗布してしばらくの間は11%らしくしっかりとS-S結合を切断していくのですが、一定時間が経過してくると髪の中でジチオが増えすぎてしまいS-Sの切断が鈍ってくるのです。これがチオ濃度11%での還元しすぎを防ぐためにジチオを入れる理由なのです。
ただ君の場合のように40分間なんて長い時間放置(塗布時間や中間水洗の時間も入れたら1時間程になります)してたら、①のジチオなしでも②のジチオありでもどちらでもしっかり還元できてるとは思うけどね。
あと、チオが反応して出来るジチオとミックスは両方のバランスを取るような平衡反応なので、ジチオが増えるとミックスも増えてしまいます。
ミックスが増えると切れっぱなしのシスチンも増えるので髪の傷みは増加してしまいます。(S-S結合が減少するのでより癖は伸びた感じはします)
以上をまとめると…
①と②を比較すると確実に②のジチオ入りでかけた方が還元力は強いです。ただ放置時間が長くなると還元力が落ちるので美容師さんがかかりの計算がしにくいという感じはあります。
あとジチオ入りのほうがミックスジスルフィドが多くなるのでダメージが増える傾向にあります。
ただアルカリが高くなると、アルカリ暴走といって急激に還元が進行しすぎて過還元の危険性もありますので、美容師的な意見では普通毛でpH8.5~9程度でチオ濃度10〜12%程度でジチオ無しの薬剤があれば安全性や伸びのバランスも良いとは思います。
理美容師さんはこの記事を絶対に読むべし↓
縮毛矯正での失敗を少なくするためのDO-S式の低アルカリ高還元剤濃度の薬剤
※一般の方に小難しいお話を長々してごめんね。ジチオ入りか無しのお話は美容師さん達もすごく参考にしそうだからちょい詳しく書いたので了承してね。
還元力が強い薬剤を使用したから癖毛の伸びが良いとは限りません
ただし、、、これまで書いたのは、その薬剤の還元力が強いかどうかのお話で…
君のような髪質の方の癖毛が綺麗に伸びるかどうかのお話ではありません!
前回の質問の時には
>PH9.2の薬剤ジチオありで、以前のようにボリュームダウン、ツルツルにさせることはできるでしょうか?
って質問だったので樹脂コーティンングの話がメインになり書いてはないんだけど・・・
今回は
>PH9.5のジチオなしの方がかかるでしょうか?また、傷まないでしょうか?
なのでその質問に回答すると、、、
今回のケースならどちらの1液でもしっかり還元は出来ると思うけど、縮毛矯正のかかり具合やヘアダメージは施術する美容師さんの毛髪診断力とアイロンテクでほとんど決まるんだよね!
>実はこちらのブログ以前から拝見しており、関東圏でドS矯正の一番強い薬で施術していただいたことがあるのですが、(2年間で5回はいきました)
硬さがあるピンピンしたり、ジリっとして変な仕上がりだったのですが、軟化還元が足りてなかったっぽいですよね?
↑これなんかも薬剤の軟化還元が足りてなかったんじゃなく多分還元自体はしっかり行われてて、その美容師さんの毛髪診断やアイロン技法とかのなんらかのミスだよね。
多分だけど… 硬さのあるピンピンは薬剤のアルカリがきつすぎたと思うし、アイロンの時に引っ張りテンションやプレス圧が強すぎたせいだと思う?ジリってのは確実に還元しすぎで水分多めでアイロンの場合が多いですね。
君ぐらい縮毛矯正の経験があればわかると思うけど、美容師さんによってアイロン工程の時にひっぱる力が強い人(時)や弱い人とかあるでしょ!あれでダメージも癖の伸びも全然違うし。
今までアイロン時に「ジュ〜」っていうぐらい髪が湿ってる(濡れてる)時に高温アイロンをあてられた事はないかな?実は中間水洗してもチオは流れないで残留してて、髪に水分があるとずっと還元してるんだけどその時に高温のアイロンなんてすると、一発でビビリ毛になるほど物凄くS-S結合をぶった斬りまくるからね〜!
だから前回の記事のようにツルツルとかは薬剤の樹脂コーティングによるところが多いんだけど、
今回の質問の 癖が伸びるか?傷まないか?って事なら...
ジチオ入りとか無しの問題じゃなく、ほとんどが担当美容師さん腕次第です。
>ちなみに、どんな縮毛矯正剤でも、1剤の後は、水道水で流すのがいいですか?
炭酸泉だとキューティクルが閉まって悪いものが出て行かないとかありますか?
水道水でも炭酸泉でもどちらでも構わないよ(笑)
炭酸泉は中性〜弱酸性程度なので悪いものが出ていかないほどにキューティクルが閉まる(収斂)ってことはありません。
1剤の後の水洗は、一般の方はチオなどの還元剤を流して還元をストップさせる目的と思ってるかもしれないけど…
実際は薬剤の未反応で残ってるチオなどの還元剤は水でも炭酸水でも流れ落ちないんだよね(汗)逆に水洗するとジチオだけが流れて、またチオによる還元がより進行するんだよね(髪が濡れてる間じゅう)だから君のケースのように40分間も放置すると、塗布してる時間や中間水洗してドライヤーで乾かすまで還元してるのでS-S結合を切断してるタイムは1時間は軽く超えてる計算になるんだね。
縮毛矯正の場合は1剤がクリームやジェルタイプなのでしっかり中間水洗しないと乾かしてアイロン処理ができないからしっかりすすいでるんだよね。
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