髪質改善トリートメントで髪がパサパサに傷んでしまったのですが何故ですか?
酸熱トリートメントって美容師さんが失敗するとボロボロになるって本当ですか?
トリートメントは髪を傷めると聞いたのですが、髪質改善トリートメントもヘアダメージしますか?ダメージ具合は違いますか?
髪質改善ストレートをしたら凄くヘアダメージしてチリチリのビビり毛になってしまいました(汗)
髪質改善ヘアエステをしたら毛染めの色が抜けちゃいました(涙)髪に良いハズなのに何故ですか?
髪が硬くて太くて癖毛が悩みなんですが、髪質改善トリートメントをすると髪質が変わってしなやかで綺麗なストレート美髪になれますか?
などなど、ここ数年美容業界では【髪質改善】と呼ばれるメニューが沢山登場して場末のパーマ屋にも多くの質問や問い合わせをいただくようになりました。
ただね…髪質改善と呼ばれるメニューは実に多くのメーカーさんたちが沢山の薬剤やメニューを出してますし美容師さんたちやサロンさんたちが独自にアレンジした髪質改善とかもあったりして、正直プロの美容師さんでもよくわかってない事が多いんですよね。
そりゃ、プロの美容師さんでもよくわかってない髪質改善メニューなんだから一般の人たちにとっては全く理解できないですよね(涙)
そんな非常に多くの種類がありとてもわかりにくい美容院で行う髪質改善メニューを出来るだけ素人さんにもわかるように解説していきたいと思います。
髪質改善はダメージ修復はしないし、表面皮膜ダメージはあります。
髪質改善=髪の毛の太さ、硬さ、癖、ダメージ等の状態をより好ましい・望ましい状態に改めること。
この髪質改善で一般の方たちが勘違いしやすいこととして、状態を改めるといっても… そもそもの自毛が太くも細くもなる訳ないし、癖毛が直ることもないし、ヘアダメージが治ることもないって事。
髪質改善・酸熱トリートメントをしてる美容師さんがこんな事をよく言います…
酸熱トリートメントでヘアダメージすることは絶対にありません!
でも同じ美容師さんがこうも言います…
酸熱トリートメントでダメージするのは施術する美容師さんの失敗(ミス)です
な〜んて解説してたりするのですが、これは矛盾してますよね(汗)
髪質改善が髪に負担をかけない成分のヘアトリートメントなら、美容師さんが施術ミスをしたとしても、効果が無かったのなら納得できますが、髪がボロボロに傷むことなどありえない話ですからね!
髪質改善トリートメントのように髪が変化する効果が高いものほど、髪に化学反応や熱反応などなにかしらの負担を多く加えるのでヘアダメージしちゃう危険性も高いものなのです。
あと、ほとんどの髪質改善メニューや酸熱トリートメントたちは強い被膜成分でキューティクル付近をコーティングします。
皆さんが髪質改善トリートメントをしてパサパサの髪がツヤサラになってヘアダメージ修復が出来たと感じるは あくまでも表面皮膜(被膜)の部分が多いです。
ただし、強い表面被膜はほんの少しづつですが、必ず髪の毛を傷めている!っていうのも十分に理解しておいてください。
ヘアトリートメントは髪を傷めます!?理美容業界を騒がせたすっぴん髪理論
髪質改善メニューには大きく3種類があります。
数えきれないほどの種類がある髪質改善メニューなのですが、大きく分類すると3種類ほどあります。
◎髪質改善カラーエステ、髪質改善酸性パーマ、髪質改善縮毛矯正(ストレートパーマ)等毛染めやパーマ、縮毛矯正などの美容室メニューと髪質改善を組み合わせたもの。
これらは「髪の栄養成分、ヘアトリートメントの成分でストレートパーマが出来ます!」などと宣伝されてたりしますが、実際は通常のヘアカラーやパーマ、縮毛矯正などにケラチンなどの内部補強剤や感触向上剤、強力コート成分などで手触りを良くしてヘアダメージを感じさせないようにした【髪質改善】というワードのイメージを利用しただけの技術メニューです。
ヘアカラーのダメージの多くはブリーチして色素を破壊することですし、パーマ、ストレートパーマ、縮毛矯正のダメージは髪のシスチン結合を切断して再結合できないものがある事なので、トリートメント成分を入れてもダメージレスになる事もないので1ヶ月も経過したら普通のメニューと同じようにヘアダメージもあります。
◎活性酸素に水素とか、酵素やミネラル、ビタミンに海洋深海水、電子水、アルカリ電解水、高機能電解水、ミネラルアルカリ還元水など、いかにも怪しそうな成分や理論で髪質改善を謳うもの。
これらはすべて【髪質改善】髪質を善い状態に改める という言葉のイメージを宣伝文句として利用してるだけの、ただのトリートメントメニューなだけです。そもそも髪の毛にどんな栄養成分やトリートメント成分を入れてもダメージ修復などは不可能です。
↑この2つの髪質改善メニューは、あくまで【髪質改善】というネーミングがついているだけのもので、実際は普通のヘアカラーやパーマ、縮毛矯正や胡散臭いヘアトリートメントメニューと同じものと思ってもらっても構いません。
現在、髪質改善トリートメントと呼ばれるメニューで主流を占めるのは…
◎酸熱トリートメントや酸熱ストレートとか呼ばれる、グリオキシル酸という成分を使用した髪質改善メニュー
ダメージ毛というのは髪のシスチン結合が壊れて少なくなってる状態なのですが、このグリオキシル酸をつけると、水素(H)を2つ持ってるアミノ基が髪に入ります。
そこに酸と熱と加えるとアミノ基同士がイミノ結合(イミン結合)という結合反応でくっつきます。
このイミノ結合(イミン結合)が髪のケラチンに吸着してダメージホールを埋めるのでハリコシが出て髪がしっかりしますし、大きくなり吸着して、しかもツヤサラにするために強い表面被膜をすることでで2〜3週間程度トリートメント効果が持続する場合もあります。
ただ注意してほしいのは、このようなグリオキシル酸を使用する髪質改善メニューのように 効果が高く持続性の良いトリートメントほどヘアダメージする危険性も高いのです!
ヘアトリートメントの基礎理論をおさらい
どうして髪質改善トリートメントは髪をダメージさせるのか?それを知るには理論的に納得しないといけません。そこでヘアトリートメントの基礎からおさらいしていきましょう。
まずヘアトリートメントというのはキューティクル付近の表面と髪の内部の2つで行います。
髪の表面のキューティクルあたりの表面皮膜の考え方はとてもシンプルで、日持ちするような強力な皮膜を貼ると髪の水分調整がうまく出来なくなり髪の命と言われる『結合水』が少なくなりバサバサに乾燥しヘアダメージしてしまいます。
そこで、今回は髪の内部のトリートメント効果について説明していきます。
まず、健康毛というのはこのような感じでケラチンが側鎖=シスチン結合(S-S結合、ジスルフィド結合)で繋がっています。
↓
そしてヘアダメージが進行するとこのシスチン結合が少なくなります
↓
このシスチンがなくなった部分がダメージホールと呼ばれる髪の空洞部分だったりします。
ホームケアでもつけてるような一番シンプルなヘアトリートメントはこんな感じです。
↓
トリートメント成分が髪の中に入ってなくなったシスチンを補ってくれますが、入ってるだけなのでシャンプーすればすぐに落ちてしまい持続性はありません。
ただし、髪の毛には何もしませんので負担もかけませんのでダメージはほぼありません。このようなトリートメントで強い表面皮膜を貼らないタイプが一番髪を傷めないトリートメントといえます。
そして、このシンプルなトリートメントでも少し日持ちさせようと考えたのが
↓
トリートメントがすぐに出ないように髪にくっついたり絡みついたりするような成分や熱反応で吸着させたりして少し日持ちをするタイプです。
そしてもうひとつが
↓
髪の中に入ったトリーメント成分同士をなんらかの反応でくっつけあって大きくして、出にくくするタイプのトリートメントです。
これらの二つの工夫により、トリートメントは1週間程度持続するようになりました。(個人差あり)
そして、より日持ちするように考えられたのがハイブリッドタイプです。
↓
髪の内部に入れたトリートメント成分同士をなんらかの反応や熱処理でくっつけて大きくして、その大きくなった成分を髪に吸着させたり絡ませたりしてより持続性をよくしたトリートメントです。だいたいのトリートメントがこの上に強い表面皮膜も貼るので余計に持続性がよくなり、髪質やダメージ具合にもよりますが2〜3週間程度持つようになりました。
髪の内部に入った成分同士をくっつけて大きくしたものを髪のケラチンに吸着させ、それに強い表面皮膜でツヤサラ美髪に!これが現在主流の持続性トリートメントの仕組みなのです。
この仕組みのトリートメントは、内部補強もしっかり出来きるので効果が高く!持続性もバツグンで非常に素晴らしいヘアトリートメントです!
ただしデメリットとしては、髪の毛の内部で成分同士をくっつけたり、それらを髪に吸着させるためには、なんらかの化学反応やヘアアイロン等での高熱処理などが必要になります。これらの反応や熱処理は髪に負担をかけますので沢山の成分を入れて効果を高めたり、持続性をよくしようとすればするほど髪の毛を傷めてしまう結果になってしまいます。
あとかなり沢山のトリートメント成分が無理やり髪の内部に入るので、ヘアカラー直後などにするとせっかく染まった色素を押し出してしまい褪色させてしまう場合も多いですね。
髪質改善・酸熱トリートメントの仕組みは?
ここ数年非常に人気の高い『グリオキシル酸』を使用する髪質改善トリートメントや酸熱トリートメントの仕組みを読むと、アミノ基にイミノ(イミン)結合とか酸と熱による架橋とか、なんだかとても難しそうだし、今までにない画期的なトリートメント技術のように思ってる方が多いです。そこでグリオキシル酸を使う髪質改善鳥トリートメントの仕組みを説明すると…
まず、よく酸熱トリートメントをされてる美容師さんたちの解説では
髪質改善・酸熱トリートメントでグリオキシル酸を塗布すると、髪の中にアミノ基が浸透します。
↓
そして、高温のストレートアイロンで熱を加えるとそのアミノ基同士が脱水縮合し、イミノ(イミン)結合します。
グリオキシル酸使用の髪質改善メニューの仕組みを紹介してるとこでは、すべてこのように解説しています。
実は、これが誤解を生んでる部分ですね(涙)
アミノ基同士がアイロンの熱で脱水縮合してイミノ結合(イミン結合)するのは間違いではないのですが… そのイミノ結合されたものが髪のケラチンに結合する理屈がどこにもないのです!
↓
イミノ結合で作られた物質が 髪に強く結合する なんて絶対に出来ません!
実際は吸着するとか絡まる程度です。
↓
そう… これって前章で書いた【大きくなりくっつくトリートメント】を同じですよね!?
↓
髪質改善や酸熱トリートメントは効果も高いようですし、1ヶ月ほど持つ方もいるようなので髪のケラチンへの吸着力が従来のサロントリートメント類よりは強めなのかもしれません。
ま、従来のサロントリートメントより効果も高く持ちも良いという事は、強い化学反応や熱処理など髪の毛への負担も多いハズなので髪質やダメージ具合で激しくダメージしたりなどのトラブルも多いのかも知れませんね。
髪質改善トリートメントの使いどころは?
従来の持続性の高いサロントリートメント類と仕組み自体は同じで、少し効果が高く日持ちも良いって感じだけど… ヘアダメージも多い!という髪質改善トリートメントや酸熱トリートメント。
それなりにヘアダメージはあるけど、しっかりと内部補強してくれるトリートメント
として使用すればかなり良いものなのです。
例えば、ダブルカラーでのオンカラーのような感じでね… ハイトーンにブリーチして明るくする時とかにブリーチだけすると脱色による激しい傷みでダメージホールも沢山できてカスカスのダメージ毛になってしまうんだよね、、、そんな時にオンカラーで色素を入れてあげると色味だけじゃなく色素がダメージホールに詰まるので、少しダメージが軽減されたように髪がしっかりするんだよね。
髪質改善や酸熱トリートメントとかもこの感じで、髪が傷んでダメージホールが沢山できちゃったような人に施術してあげると髪にハリコシが出てしっかりして扱いやすい髪になるんだよね!
ただ、あまり過剰に反応させすぎると余計にヘアダメージしちゃってボロボロになったりするし(これを美容師の失敗といってます)アフターケアで表面皮膜をシャンプーで落とすようにしてあげるとかも考えないといけないけどね。
グリオキシル酸使用の髪質改善トリートメントは、ハイダメージでバサバサの髪を一定期間ハリコシを出し、扱いやすくしてくれるサロントリートメントである。
ただし、ヘアダメージもそれなりにあるので失敗するとボロボロに傷んじゃう場合もあるので、ちゃんとした技術や見極めの出来る美容師さんに施術をお願いし、アフターケアでは早く皮膜成分を除去するように注意するベシ!
ま〜 癖毛の方がダメージするのはわかってても、綺麗なストレートにするために施術する縮毛矯正とかと同じようなもんだよね。。。
って感じかな・・・
でもね… 結局、髪の毛を傷めないでトリートメントをするなら… どうせ毎晩シャンプーして毎朝スタイリングするのなら… 持続性を求めないで、しかも表面皮膜の少ないトリートメントが一番良いとは思うんだけどね♪
ヘアトリートメントについて詳しく知りたい方はこちらのブログ記事を熟読してください!
↓
【髪質改善】DO-Sすっぴん髪・素髪ヘアケアでヘアダメージ修復
コメント
[…] 髪質改善トリートメントの仕組みは?ヘアダメージするってホント? […]