こんにちは、場末のパーマ屋です。
先日、韓国で頑張っていらっしゃる美容師さんから、とても熱心で真面目なご質問をいただきました。
【読者さんからのメッセージ】
「ある韓国の美容師さんのブログで、先生の過去の記事やパーマ理論について『誇張されている』『インチキや詐欺のようなものだ』という厳しい批判を見かけました。これは事実なのでしょうか?
科学的な検証や意見交換なら分かるのですが、長年の研究まで感情的に全否定されているようで、どう受け止めればいいのか迷っています」
国境を越えて熱心にブログを読んでいただき、わざわざメッセージを届けてくださって本当にありがとうございます。勉強熱心な姿勢、とても素晴らしいですね。
まず最初にお伝えしておくと、私は韓国語が読めませんし、翻訳ツールを使ってまでその記事を読む予定もありません。誰かが自分と違う意見を持っていたり、厳しい言葉を使っていたとしても、私自身は全く気にしていませんので安心してくださいね。
ただ、質問をくださった方のように、「何を信じて学べばいいんだろう?」と迷ってしまう現場の美容師さんがいるかもしれないので、私がいつもお話ししているパーマ理論の成り立ちについて、少しお話ししてみようと思います。
一人の思いつきではなく、研究者さんたちの努力の結晶です
私がブログや講習でお伝えしてきたパーマ理論は、決して私個人の思いつきやひらめきだけで作ったものではありません。
日本のケラチン研究のパイオニアである故・新井幸三博士をはじめ、ミルボンさんやアリミノさんといった国内トップメーカーの優秀な研究者さんたちが、長年研究室にこもって実験と検証を重ねてくれたデータや論文、特許が土台になっています。
日本には「SPring-8(スプリングエイト)」という、世界最大級の大型放射光施設(ものすごく高精度に分子レベルまで見通せる設備です)があるのですが、そうした最先端の場所でも髪の毛の研究は行われています。
そうした確かな研究結果があるからこそ、日々のサロンワークでのパーマや縮毛矯正の大切なポイントが見えてきたんですね。
詳しいパーマ理論はこの記事を読んでください↓
【最新の毛髪薬剤理論】美容師が知っておくべき本当のパーマ理論とは?
パーマの化学式には国境がありません
パーマがかかる仕組みは、人の感情や主張とは関係のない、とてもシンプルな「化学反応」です。
【還元剤の反応】
RSH ⇄ RS + H
【毛髪ケラチンの還元(SS結合を切る反応)】
KSSK+RSH ⇄ KSH+KSSR
KSSR+RSH ⇄ KSH+RSSR
【酸化(再び結合をつなぐ反応)】
2KSH+O→KSSK+H2O
この反応式は、日本でも、韓国でも、欧米でも、世界中どこへ行ってもまったく同じです。人間の髪がケラチンタンパク質でできている以上、化学のルールが変わることはありません。
世界共通の化学式と、研究者さんたちが証明してくれた科学的な事実をもとに組み立てられているのが現代のパーマ理論ですから、「インチキ」「詐欺」といった類のものではないので、どうか安心してくださいね。
言葉の強さに惑わされず、目の前のお客様を大切に
インターネットの世界では、強い言葉や刺激的な表現を使って注目を集めようとする意見に出会うこともあります。そうした言葉を見ると、真面目な方ほど不安になってしまうかもしれません。
でも、美容師にとって本当に大切なのは「誰が何を言ったか」ではなく、「原理原則をしっかり理解して、目の前のお客様の髪をいかに傷ませず、綺麗に仕上げて笑顔にできるか」というサロンワークの結果だけです。
科学的な根拠に基づいた知識は、あなた自身とお客様の髪を守るための確かな味方になってくれます。
外の雑音にはあまり振り回されず、これからも自信を持って、日々の技術とお勉強を楽しんでいってくださいね。応援しています!
執筆者プロフィール:森下 秀彦(どS美容師)
美容メーカーでの薬剤研究やサロン経営を経て、全国のプロの理美容師を対象にパーマ・縮毛矯正・ヘアダメージ論のセミナー講師を務める毛髪専門家。群馬大学元教授との共同研究や特許成分の実用化など、科学的根拠に基づいた革新的な薬剤・技術プロセスの開発に長年携わってきました。
⇨ [筆者のより詳しい「研究実績・専門経歴」はこちら]







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