「くせ毛を活かして、縮毛矯正をやめたい」
そう考えてネットで調べていると、必ず目にするのが「カーリーガールメソッド(Curly Girl Method / CGM)」という言葉です。
「髪をほとんど洗わない?」「オイルやジェルをたっぷりつける?」
調べれば調べるほど、日頃のヘアケアとのギャップに戸惑う方も多いのではないでしょうか。
今回は、カーリーガールメソッドの基本原理から、なぜ欧米式をそのまま日本人に当てはめると失敗しやすいのか、そして日本の気候や髪質に合わせた正しいくせ毛スタイリング法までをわかりやすく解説します。
そもそも「カーリーガールメソッド」とは?
カーリーガールメソッドとは、アメリカの美容師ロレイン・マッシー(Lorraine Massey)氏が著書『Curly Girl: The Handbook』で提唱した、「くせ毛本来のウェーブやカールを、束感のある美しい状態に仕上げるためのスタイリング&ケア手法」です。
乾燥して広がりやすい欧米人のカーリーヘアを、ボサボサにならず綺麗なコイル状にまとめることを目的に考案されました。
本場・欧米式の主なルール
- シャンプーは週1〜2回程度(サルフェートフリーのマイルドな洗浄剤、またはトリートメントだけで洗う「ノーシャンプー/コウォッシュ」)
- シリコンやアルコールフリー、油分(オイル)を多用しない
- 濡れた髪にホールド力のあるジェルなどをつけ、ディフューザー(ドライヤーの拡散アタッチメント)で乾かす
- 完全に乾いた後は、ブラシやコームで絶対に梳かさない(束感を崩さないため)
「魔法の髪質改善法」のように語られることもありますが、実態はシンプルで、「くせ毛を束感のあるウェーブスタイルにセットするスタイリング技術」にすぎません。
なぜ欧米式をそのまま真似ると失敗するのか?【髪質と気候の違い】
「カーリーガールメソッドをやれば、どんな剛毛・くせ毛でも外国人風の綺麗なウェーブになる」というのは大きな誤解です。
このメソッドが生まれた背景には、欧米人と日本人の決定的な「髪質・気候・生活習慣」の差があります。
| 比較項目 | 欧米(カーリーガールメソッドの発祥) | 日本 |
| 髪質 | 細くて柔らかい「猫っ毛・軟毛」が多い | 太くて硬い「剛毛・硬毛」が多い |
| くせの形状 | 根元から均一に出るウェーブやコイル状 | うねり、捻転毛(チリつき)、部分的な生え癖 |
| 気候・湿度 | 乾燥地帯が多く、空気がカラッとしている | 多湿(特に梅雨~夏は湿度が高い) |
| 洗髪文化 | 毎日洗う習慣がなく、数日置いた方が馴染む | 毎日シャンプーして清潔を保つ習慣 |
| 水質 | 硬水エリアが多く、皮膜が蓄積しやすい | ほぼ全国が軟水 |
欧米の猫っ毛・乾燥気候なら、シャンプーを控えて皮脂を残し、ジェルで固めるだけでボリュームが適度に落ち着きます。
しかし、硬くて太い髪が多い日本人が「髪を洗わない」生活を真似すると、皮脂とスタイリング剤が頭皮や髪に酸化して残り、ベタつき・ニオイ・頭皮トラブルの原因になります。また、チリつきのあるくせ毛の場合、ただ洗うのをやめても外国人風の綺麗な束にはなりません。
読者からの質問:「縮毛矯正をやめてカーリーガールメソッドを試すべき?」
【読者からのご相談】
「現在、DO-Sシャントリを使いながら縮毛矯正をかけています。将来的に縮毛矯正をやめたいと思い調べていたら、カーリーガールメソッドを知りました。
ただ、『髪を洗わない』『ジェルを塗りたくる』と知りドン引きしています。本当に効果はあるのでしょうか?また、すっぴん髪の軽さを捨ててベッタリしたオイル毛に戻らなければいけないのでしょうか?」
回答1:メソッドで「くせ毛の質」自体が変わるわけではない
カーリーガールメソッドを実践したからといって、髪の生え癖やウェーブの出方そのものが外国人のように変化するわけではありません。
もともと「均一なウェーブが出るタイプのくせ毛」を持っている人なら綺麗に出せますが、全体がチリついて膨らむ捻転毛や、生え際だけが浮くようなくせの場合、本場のやり方だけでは収まりきらないのが現実です。「自分の元のくせが、ウェーブスタイルに適しているか」がすべてです。
回答2:すっぴん髪(引き算のケア)をやめる必要はゼロ
オイルで無理やり髪を押しつぶしてベトベトにする必要はありません。
すっぴん髪の軽さを保ちながら、日本人の髪質に合わせて「くせ毛を束感として魅せる」ことは十分に可能です。
日本人のための「失敗しない」くせ毛スタイリング手順
実は、カーリーガールメソッドでやっているスタイリングの基本は、日本の美容師が昔からパーマスタイリングで当たり前にやってきた手法とほぼ同じです。
日本の気候と髪質に合わせた、清潔で軽い質感のスタイリング手順は以下の通りです。
シャンプーは毎日きちんと洗ってリセット
日本人は毎日しっかり洗って皮脂や前日のスタイリング剤を落とし、髪を一度「素髪(すっぴん髪)」に戻します。皮脂を残してベタつかせる必要はありません。
朝、髪の根元〜中間までしっかり濡らす
くせ毛のウェーブは、髪が濡れている時に一番綺麗に出ます。寝癖のまま上からスタイリング剤をつけてもボサボサになるだけなので、シャワーまたは霧吹きでしっかり濡らし、タオルドライします。
濡れている状態でホールド力のあるスタイリング剤を揉み込む
タオルドライ直後のウェットな状態で、DO-Sスタイリングジェルを毛先から中間へ揉み込みます。ボリュームが気になる場合は、少量のDO-Sトリートメントをインナーに馴染ませてから重ねます。
ディフューザーを使って「そのままの形状」で乾かす
ドライヤーの風をそのまま当てると風圧でカールがほぐれ、ボサボサに広がってしまいます。
風を拡散する「ディフューザー」をドライヤーのノズルに装着し、カールを下から持ち上げるようにして弱風で乾かします。
乾いたら絶対に「触らない・梳かさない」
これが最も重要なルールです。
完全に乾いた後に手ぐしを通したり、ブラシを入れたりすると、せっかく固まった束が壊れて一気に爆発します。乾いたら触らず、そのままキープします。
まとめ:自分のくせの形状を見極めて賢く活かす
- カーリーガールメソッドは「髪質を外国人のように変える魔法」ではなく、単なる「スタイリングの手法」
- 「洗わない」欧米ルールを湿度が高く剛毛な日本人が真似すると、頭皮トラブルやベタつきの原因になる
- すっぴん髪のまま、毎日の適切な洗髪+朝のウェットセット(ジェル&触らないドライ)で、日本人のくせ毛も綺麗に活かせる
縮毛矯正をやめて自分のくせ毛を活かせるかどうかは、現在のダメージ履歴や、くせのうねり方によって判断が分かれます。まずは担当の美容師さんに「自分のくせを活かして、束感のあるウェーブヘアにスタイリングできるか?」を直接相談してみるのが一番の近道です。
よくある質問(FAQ)
Q. サルフェートフリー(硫酸塩無添加)シャンプーじゃないとダメですか?
A. 日本人の皮脂量と水質、そしてジェルなどのスタイリング剤を使うことを考えると、不要な汚れや被膜をしっかり落とせるシャンプーを使う方が清潔で扱いやすい素髪を維持できます。「洗わない」「弱すぎる洗浄剤で皮脂を残す」ことに固執する必要はありません。
Q. ジェルを使うとバリバリに固まりませんか?
A. 束感を維持して広がりを防ぐためには、ある程度のホールド力が必要です。適度なホールド感があるジェルを選び、自然乾燥またはディフューザーで乾かすことで、見た目はパリッとせず、綺麗な束感だけを残すことができます。
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執筆者プロフィール:森下 秀彦(どS美容師)
美容メーカーでの薬剤研究やサロン経営を経て、全国のプロの理美容師を対象にパーマ・縮毛矯正・ヘアダメージ論のセミナー講師を務める毛髪専門家。群馬大学元教授との共同研究や特許成分の実用化など、科学的根拠に基づいた革新的な薬剤・技術プロセスの開発に長年携わってきました。
一般の方にDO-Sのすっぴん髪ヘアケアを紹介するDO-S企画の公式コラムです↓











コメント
こんにちは!
質問なのですが、今炭酸の機械を導入するかまよってまして、いくつか質問があります。
①カラー、パーマ後は炭酸で流した方が残留物質が取れダメージ軽減に繋がるのか、ドエスさんのアシッドなどをしっかりすればあまり変わらないのか。
②炭酸をした後、良くサラサラになった!
という感想を良く見かけますが、これは髪に付着していた物が取れて、そこにトリートメントが均一に着くからサラサラになるのか。
③以前、カラーで細毛になるとの投稿で、カラーをすると毛穴にアルカリなどの残留が残るので、それらの積み重ねが原因だとおっしゃってましたが、それに炭酸で流すことは効果があるのかどうか。
長くなり申し訳ないです!
最近話題のマイクロバブルとも迷ってますが、本当に神や頭皮に良い事を提供したいと思いメールさせて頂きました。
よろしくお願い致します!