日本では酸熱トリートメントや活性ケラチントリートメントなどのサロントリートメントメニューはよく聞くんだけど…
お隣の韓国では酸熱トリートメントではなく酸熱ストレート、ケラチン系のトリートメントではなくケラチンストレートってのが流行ってるらしいのです。
酸熱トリートメントと酸熱ストレートってどう違うの?
ケラチントリートメントとケラチンストレートはやり方も薬剤も全く違うの?
んじゃ今日の読者さんからの質問ね
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こんにちは先生。
私は韓国で美容師をしており、Instagramを通して知識の共有や、ブランド・美容師の方々へのインタビューを投稿する活動をしています。
現在、韓国では「ケラチン」や「酸熱ホームケア」の使用について大きな話題になっています。
先生の専門的なご意見をお聞かせいただければ、韓国の多くの美容師たちが学びや知識を深めるきっかけになると思い、3つほど質問をさせていただきたいと思います。
もしお時間やお気持ちに余裕がありましたら、ご回答いただけると大変ありがたく思います。
って。。。
この前の記事↓
酸熱ストレートやケラチンストレートを家庭でセルフ施術で行う!?

で質問をいただいた韓国の方だよね。。。
ま〜重複するとこもあるけど、順番にお答えしとくね。
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質問内容
1. 自己紹介および理念に関する質問
「まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。現在どのサロンで働いていらっしゃるのか、また施術の際に大切にしている哲学や、髪と向き合う上で最も重視していることについてお聞かせください。」
場末のパーマ屋のプロフィールはこのあたりの記事を読んでね↓
【DO-Sヘアケア開発者】どS美容師・場末のぢ〜ぢのプロフィール
現在61歳の場末のパーマ屋は10年ほど前に現役美容師は引退しており、その後はパーマや縮毛矯正、ヘアカラー剤やヘアケア製品等の商品開発&理論研究をしております。
コロナ前までは日本の美容師向けのケミカル専門誌に出演したり、全国で専門的な薬剤や毛髪理論などのセミナーをしていました。
2. 専門施術としての視点に関する質問
「酸熱ストレートやケラチンストレートは、高温と化学反応を扱う非常に繊細で専門的な施術です。実際に現場でこれらの施術を行う際、どのような部分に最も専門性や繊細さが求められると感じていますか?」
まず君のいう韓国の酸熱ストレートやケラチンストレートが日本の酸熱トリートメントとケラチントリートメントと同じものだとするとだけど… 韓国の美容事情はわからないので間違っていたらごめんなさい。
酸熱ストレートやケラチンストレートは縮毛矯正などと比較すると、専門性も繊細さもあまり必要ないメニューですよね???
君は実際に酸熱ストレートやケラチンストレートをお客さんに施術していますか?
酸熱ストレートやケラチンストレートで綺麗にクセ毛がストレートになりますか?
もしかして、、、かなり限定した髪の状態の方しか綺麗にストレートにならないから難しいと思ってたりしませんか?
前回もリンクしてますが酸熱ストレート(トリートメント)やケラチンストレートの仕組みをよく読んでみてください↓
髪質改善、酸熱トリートメント、プレックス剤等はどんな仕組みなの?
酸熱ストレートは髪の毛のダメージホール部分とかに、イミノ結合したアミノ基が髪のシスチンに熱吸着するだけです↓
ケラチンストレートはこのイミノ結合したアミノ基が加水分解ケラチンだったりするだけ。
ま〜簡単にいうと、髪の空洞化した部分になにかの物質が詰まるのでハリが出て髪の形状がストレートになりやすいという原理です。
髪の毛のケラチン自体の側鎖(シスチン結合)を切断して変形させて再結合させる縮毛矯正やストレートパーマとはクセ毛を伸ばすパワーは比較にならないぐらい劣ります。
ま〜ダメージホール部分にそういった物質が詰まるのでダメージ毛の方の場合は髪のうねりだとかが、ほんの少しストレートっぽくなる程度です。
だから限定されたダメージや髪質の方でないと、酸熱トリートメントやケラチンストレートを何回しても、還元&酸化の化学反応を行う縮毛矯正やストレートパーマのようにクセ毛がストレートになりません。普通毛の方とかなら気のせいぐらいしかクセ毛は伸びませんよね!
はっきりいって、ストレートというよりは髪質によりちょっとストレートっぽくなるかもしれない?トリートメントメニューみたいなもんです!
ちなみに日本では随分昔から、これらと同じようなストレートパーマのようなトリートメントメニューは沢山あるんですよね(笑)場末のパーマ屋の推薦してるヘナトリートメントも同じような原理です。
3. 論点に関する質問(社会的な問題提起)
「近年、一部のブランドや販売チャネルでは、酸熱ストレートやケラチンストレート製品を『セルフでも安全に施術できる』と宣伝し、一般消費者(非専門家)へ販売・マーケティングする事例が増えています。
現場の美容師として、このような動きをどのように見ていらっしゃいますか?また、この現象が美容業界の専門性や消費者の安全にどのような影響を与えるとお考えでしょうか?」
韓国の美容室や美容師さんたちの事情がよくわからないのでなんとも言えないけど…
まず消費者の安全性だと、日本と同じようにグリオキシル酸や加水分解ケラチンなどを使ってるとしたら、薬品の化学反応を使うストレートパーマや縮毛矯正みたいにそんなに大きなトラブルは起きないんじゃないのかな?ただグリオキシル酸やケラチンを入れてアイロン加温するだけなので、過還元や酸化不足ダメージの危険もないからね。
そもそも酸熱ストレートやケラチンストレートは、酸熱トリートメントなどのヘアトリートメントメニューなどで『髪の空洞化してうねりが出てるような髪質の方がうねりが減って扱いやすくなった』っていう付加価値としておこる現象なので、酸熱ストレートというネーミング自体が悪いよね。ストレートというネーミングだけでくせ毛が伸びるメニューだと消費者の方が勘違いしてしまうからね。
前回の記事でも書いたけど、、、
酸熱ストレートやケラチンストレートを髪の傷みが少ないとかダメージレスだとかいったり、ヘアトリートメントでくせ毛がストレートになるとかのような宣伝文句で販売しても…
そのうち「酸熱ストレートをしても、くせ毛がストレートになんかならないよ!」って消費者にバレてしまうので、一時的にブームになってもそのうち終わっちゃうと思うよ。
たぶん最近はSNSとかの影響が大きいので意外に早くブーム終了するんじゃないのかな?
日本でも30年ぐらい前から、これらと同じような美容メニューが次々に登場して、少し流行ったとしても本質がバレて消えていったものが多数あるからね。
そういう販売やマーケティングをしてるメーカーさんも、このあたりは多分わかっている確信犯で、例えば試した方の5%でも効果があった感じがすればいいって考えてると思うよ。
ただこれを美容室や美容師さんたちが真似するのは危険だよ〜!『酸熱ストレート』や『ケラチンストレート』はメニューに追加しないほうがいい!お客さんからの信頼を無くすからね。
美容師さんがするならあくまで
「酸熱トリートメントやケラチントリートメントで表面コーティング等でヘアダメージは少しあるけど、一時的に髪の内部補強できるトリートメントメニューで付加価値としてダメージが原因でクセが出てる方はうねりが抑えられてストレートに扱いやすくなるかもしれないメニューです。」
こんな感じでお客さんには嘘をつかないようにしたいもんだよね。
※これは韓国の『酸熱ストレート』と日本の『酸熱トリートメント』が同じもの、韓国の『ケラチンストレート』と日本の『ケラチントリートメント』が同じものだと仮定して書いた記事です。韓国での薬剤事情がわかりませんので、もし間違っていたらごめんなさい。









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