特殊な加水分解技術で作られ、高い浸透力と親和性をもつと言われる活性ケラチンや生ケラチン。
低分子活性ケラチンや特殊製法の加水分解ケラチンが髪のケラチンタンパク質と結合しヘアダメージを修復する!
特殊な加水分解技術で作られてる活性・生ケラチン???なんとなく凄そうなお話だよね。
んじゃ 今日の読者さんからの質問ね
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htp://www.ur○○○○○ft-○n.s○p/detail.l?id=00002
こちらの商品に配合のケラチンは死んだケラチンなのか問い合わせたところ、特殊な加水分解をして抽出していてアルカリ漬けにして取り出した死んだケラチンではなく、生きてる活性ケラチンと返信が来たのですが、S-S結合するケラチンなのでしょうか?
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はいはい!
君は美容師さんかな?一般の方かな?一般の方にはちょいと難しいお話になるんだけど…
活性ケラチンとか生きたケラチンや生ケラチンなどのネーミングで、特殊な加水分解とかなんとかいろんな小難しい説明をするメーカーさんも多いんだけどね。
ま〜結論からいうと…
活性ケラチン=S-S結合するケラチン ってことでは無いからね!
活性というのは、一般的には化学的に活発な性質をもってて、化学反応を起こしやすくなっているって意味なんだけど… これって理美容業界で使われてる活性ケラチンではちょい意味が違っててね。
メーカーさんによっては単純に低分子で髪に浸透しやすいだけのものを活性ケラチンと呼んだりしてます。これ単なる昔っからある低分子ケラチンとほぼ同じです(汗)
従来の加水分解ケラチンというのは、『固形物』である羊や水鳥の毛を切り刻んで溶解して『液体状』にするんだけど、通常は凄くきついアルカリ溶剤で羊毛、羽毛をドロドロに溶かして抽出するんだよね。これを加水分解というんだけど、これじゃケラチン自体が壊れちゃってボロボロ状態になった感じのものなんですね。
この超きつい薬品で溶かした加水分解ケラチンはボロボロに壊れちゃった状態なので髪につけても何も良いことはありません。
ボロボロに溶かされた羊さんの毛が髪についてもヘアダメージ修復なんて出来る訳ありません(汗)
※正直ヘアケアとして考えたら、こんな壊れた加水分解ケラチンなんかつけるよりブリーチ時に使う人工のジマレイン酸なんかのほうがよっぽど優秀です。
活性ケラチンや生ケラチンを作ってるメーカーさんはこういいます↓
>特殊な加水分解をして抽出していてアルカリ漬けにして取り出した死んだケラチンではなく活性ケラチンと返信…
どのぐらいのレベルでケラチンとしての形を留めてる加水分解ケラチンなのか?など詳しいことはメーカーさんに聞いてみたいとわかりませんけど…
もしかして?ある程度ケラチンの原型を留めたものが取れたとして?
またそいつが髪の内部に浸透したとしても…
髪の毛のシステインとS-S結合なんてする仕組みがありません!
そうです薬品でドロドロに溶けていない、髪のケラチンとよく似た活性ケラチンや生ケラチンと呼ばれるものが髪に浸透や吸着したとしても、ケラチン同士が結合することは不可能なのです。
ここで 髪の毛の結合のお話をするとね…
よく胡散臭いトリートメントとかで、髪の毛と結合や架橋するとかいうけど
ちょいこのコラム記事をよく読んでみて
↓
トリートメントは髪を傷めます!その仕組みとヘアダメージする原因とは?
髪の毛の結合には、一番強力な髪の命と呼ばれる【ペプチド結合】といわれるものや、パーマやストレートパーマ(縮毛矯正)などの薬品で切れたりくっついたりする【ジスルフィド結合】などの普通の生活ではまず切れないレベルの強力な結合があります。
※この【ジスルフィド結合】が別名【シスチン結合】【S-S結合】とも言われます。
S-S結合(ジスルフィド結合)というのはパーマ剤とかの化学薬品で還元反応、酸化反応などの複雑な化学反応で結合するので、ある程度原型を留めたケラチンは入ったとしてもS-S結合の化学反応を起こす理屈がないのです。
万が一髪のケラチンとまったく同じケラチンタンパク質が髪に入ったとしても、それらが結びつく(結合する)理屈がないのです。
こういうケラチンや、通常よくある髪質改善メニューや酸熱トリートメントなどの持続性トリートメントの分野では、結合するというより、せいぜい1〜2週間程度吸着してるっていうレベルです。
※教えてもらったホームページを熟読してもS-S結合するなんてどこにも書いていませんでしたので、こちらのメーカーさんも別に嘘はついてないです。
いくら特殊製法で人間の髪のケラチンに近い、ボロボロに壊れていない羊さんのケラチンが髪に浸透したとしても、入っただけでS-S結合しませんのでヘアダメージ修復はできません。
ちなみに、S-S結合するケラチンというのは新井先生の開発した特許成分で、とミルボンさん(羊毛)とDO-S(羽毛)が作ってる
S-カルボキシメチルアラニルジスルフィドケラチンタンパク質
っていって、ジスルフィド結合(二つの硫黄原子が共有結合したもの)を持っていて、しかも髪のケラチンと結合するような原子も持ってるもののことだからね。
そうジスルフィド結合(S-S結合)を持ってるケラチンと活性ケラチンや生ケラチンはまったくの別物です。
勝手にジスルフィドケラチンなんて作ると特許侵害になっちゃいますしね(笑)


※こちらは2023年5月11日の記事をリライトしたものです。











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